指一本 3/4話(出典:碧巌録第十九則「倶胝指頭禅」)

この手の話は一見わかりやすそうですが、最も難解な部類に属します。

「指」などという仕掛けに惑わされてはいけません。マネして指を立てたり拳を突き上げたりしたところで、なんの役にも立たないのですから。

ところで、倶胝和尚の庵で働いていた童子が外出先で「あなたのところの和尚さんは、いったいどんな風にものごとを教えてくれるんだね?」と尋ねられ、和尚の受け売りで指を立ててみたそうです。

帰ってから和尚にその話をしたところ、和尚はいきなり童子の指を切り落としたとか。

絶叫して逃げ出した童子を和尚は呼び止め、童子が振り向くなり指を一本立ててみせたところ、童子は直ちに全てを悟ったとか。

もう、まったくもって意味不明ですね。(苦笑)
読者のあなた、意味わかりますでしょうか?

倶胝和尚は臨終の床に着いたとき、集まった弟子たちに向かってこう言ったそうです。

「ワシは天龍和尚から「一指頭禅」という必殺技を伝授されたのだが、一生かけてもそれを使い尽くせなかった。なぜだか知りたいか?」

そして静かに指を一本立てると、そのまま息を引き取ったとか。

後日、明招和尚が先輩の深和尚に対してこんな質問をしたそうです。

「深兄さん!「倶胝和尚はたった三行の呪文を唱えただけで人類の頂点に立った」と言われているとか。兄さん、ひとつその「三行の呪文」ってヤツをやってみせてくれませんか?」

深和尚が黙って指を一本立てると、明招和尚は「ああ、今日は素晴らしい日だ!今日でなければ全く理解できないところだった!」と言ったとか。

・・・やっぱりワケがわかりませんね。(苦笑)

秘魔和尚も倶胝和尚と同じような芸風でしたが、彼は指ではなく一本の刺股を使っていました。

また打地和尚は、問答を仕掛けられると、その名の通り地面を棒で一発たたくのが得意技だったのですが、ある時誰かにその棒を隠されてしまい、仕掛けられた問答に対してただあんぐりと口を開けるばかりだったとか。

これもまた、「一生かけても使い尽くせなかった」ってヤツですかね。(笑)

―――――つづく