杖を握ってぐるぐる回る 2/3話(出典:碧巌録第三十一則「麻谷振錫遶床」)

そういえば、かつて張拙(ちょうせつ)という名のエリート官僚が西堂和尚に「この世の全ての物体は、「有る」のでしょうか、それとも「無い」のでしょうか? また、現在過去未来において、「仏」などというものは「有る」のでしょうか、それとも「無い」のでしょうか?」と質問したところ、西堂和尚は「ああ、有るとも!」と答え、それに対して張拙さんはここぞとばかりに、「違いますよ!」と言ったところ、西堂和尚は「・・・オマエ、どこぞで入れ知恵されてきたな?」と返したとか。
張拙さんが誇らしげに「径山(きんざん)和尚に学んだんですよ! あのお方はどんな質問をしても、「無!」とお答えになるのです!」と言うと、西堂和尚は尋ねました。

「ところでニイサン、家族はいるかい?」

張拙さんは答えました。

「ええ、いますとも。ガサツな女房ひとりと、出来の悪いこどもが二人。」

西堂:「径山和尚はどうじゃな?」

張拙:「何を言うんですか! 戒律を守る立派なお坊さんであるあの方に、そんなものいるわけないでしょう! バカにしないでください!」

西堂:「なるほど。それではニイサンが径山和尚のようになれた時、ワシは何を尋ねられても「無!」と答えることにしよう。」

それを聞いて、張拙さんはもう何も言えなくなってしまったとか。

ところで、仰山和尚は、師匠の中邑(ちゅうゆう)和尚から「合格」のお墨付きをもらった時、「お礼参り」と称してたずねて行き、師匠がやってきたのを見て座布団の上に立ち上がると手を打って「和尚!」と言ったそうです。

そしてそのまま東側に移動し、また西側に移動し、最後に真ん中に戻ってきて礼をし、引き下がって立ちました。

中邑:「・・・オマエ、その芸風は誰のパクリじゃ?」
仰山:「六代目のパクリですよ!」
中邑:「・・・六代目をパクってどうしようというのじゃ?」
仰山:「未来の永嘉玄覚を育成します!」

仰山:「ところでお師匠、あなたこそ誰をパクったのですか?」
中邑:「ワシか? ワシのは馬祖師匠のパクりじゃよ。」(笑)

―――――つづく