臨済和尚の極意 1/3話(出典:碧巌録第三十二則「臨済仏法大意」)

臨済和尚の寺に、定上座という修行僧がいました。

ある日、彼は思い切って臨済和尚に質問してみました。

「仏の教えって、要するにどういうことですか?」

注)臨済和尚は若い頃、師匠に3度この質問をして、そのたびに殴られたということです。

果たして臨済和尚は講師席からヒラリと飛び降りると、定上座の胸倉を片手でひっつかみ、もう片方の手で思い切りビンタをくらわしました。

上品な性格の定上座は、突然の暴力にビックリしてしまい、ただ呆然と立ち尽くすことしかできませんでした。

それを傍らで見ていた修行僧のひとりが、定上坐に声をかけます。

「おいおい、ボサっと突っ立ってないで、お礼をしろよ!」

定上坐は、言われるがままに礼拝をしようとした瞬間に、ガビーンと大悟したとのことです。

「ビンタ」→「ありがとうございます!」というアントニオ的な流れで悟りを得た定上座、臨済和尚の極意の伝承者となったわけなのですが、さぁ、それからが大変です。

ある日、巖頭・雪峰・欽山の三人の和尚がつるんで歩いていると、路上で定上座と出くわしました。

頭:「あなたはどちらから来られましたか?」
上座:「臨済のところからだよ。」

巖頭:「臨済和尚のご機嫌はいかがです?」
上座:「和尚なら、もうとっくに死んじまったよ。」

巖頭:「おやまぁ・・・我ら3人は常々臨済和尚の教えを受けたいと願っていたのですが、既に亡くなられてしまっていたとは! 縁がなかったことを残念に思います・・・ところで、和尚は生前、どのようなことをおっしゃっておられましたでしょうか?」

―――――つづく

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