鉄の牛 4/7話(出典:碧巌録第三十八則「風穴鉄牛機」)

あくる日、南院和尚は風穴和尚に言いました。

院:「今から普通にしゃべるから普通に答えてくれ。この夏はどこで過ごした?」
穴:「この夏は鹿門というところで臨済和尚の弟子筋の廓侍者と一緒に過ごしました。」
院:「なんと、あの凄腕で有名な廓さんと一緒だったのか! で、あのお方はどんなだった?」
穴:「いや、もうひたすら私を持ち上げてくれるので、なんかいい気分でした。」

それを聞いた南院和尚、風穴和尚をひっぱたくと部屋から押し出しながら言いました。

院:「こんな負け犬野郎には何を教えてもムダだ!!」

それからしばらく、風穴和尚は反省しておとなしく野菜畑の担当者を務めていました。

ある日、野菜畑に様子を見に来た南院和尚が風穴和尚に声をかけました。

院:「オイ、オマエは鏡清和尚のところにもいたことがあると言ったよな? 彼の指導方法はどんなだった?」
穴:「いや、それはもう、絶妙な素晴らしいご指導でしたよ。
さて、そういう貴方はどういう指導方法なのですか?」

それを聞いた南院和尚、棒を振り上げて叫びました。

院:「真理はどれだけ棒で叩かれたって曲がりはしない!
ホンモノの修行者だって同じことではないのか!?」

それを聞いた風穴和尚、遂にガビーンと悟ったとのことです。

 ―――――つづく

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