酒カス野郎 4/7話(出典:碧巌録第十一則「黄檗酒糟漢」)

しばらくするとヤング臨済和尚が泣きながら帰ってきました。

睦:「どうだった?」
臨:「質問を言い終わる前に殴られました・・・(泣)」
睦:「そうか。もう1回チャレンジしてみろ。」

しばらくすると、また泣きながら帰ってきました。

臨:「やっぱり殴られました・・・ もうサッパリわけがわかりません。(泣)」
睦:「そうか。くじけずにもう1回行ってこい!」

しばらくすると、ヤング臨済和尚が帰ってきました。
やはり泣いています。

臨:「先輩!自分、もうダメっス・・・
殴られてばっかりで、まともに質問もできやしません・・・
もう、自分、辞めます。向いてないっス・・・(号泣)」
睦:「そうか・・・ 辞めたいっていうなら俺は止めないが、最後にちゃんと和尚に挨拶していけよ。」

ヤング臨済和尚が退出すると、睦州和尚は全力で黄檗和尚のところに先回りしました。
勿論、打ち合わせのためです。

睦:「和尚! 今からメソメソした若者が辞めさせてくれと言いに来る筈ですから、うまくやってくださいね。奴は伸びますよ。」
檗:「ウム、わかっとるわい!」

ヤング臨済和尚が暇乞いにやってきたのを見て、黄檗和尚は言いました。

檗:「大愚和尚のところへ行ってみなさい。」

さて、ヤング臨済和尚、言われたとおりに大愚和尚のところに来ました。

愚:「どこから来た?」
臨:「黄檗和尚のところからです。」

愚:「黄檗の教え方はどんなだった?」
臨:「いやそれが・・・ 質問しようとすると殴るんですよ。自分も3回も殴られちゃって・・・ いったい自分の何が悪かったんでしょう・・・」

愚:「お前・・・ 和尚がそんなに熱心に指導してくれているのに、ノコノコと俺のところまでやってきた挙句、「自分の何が悪かったか」などと言うのか?」

ヤング臨済和尚はそれを聞くなり、ズドーンと悟りました。

臨:「なーんだ、たったそれだけのことか!」

それを聞いた大愚和尚、ヤング臨済和尚に飛びかかり、首を絞めながら言いました。

大愚:「この寝小便タレめ! ついさっきまでメソメソしていたくせに、今度は「たったそれだけか」だと!? 何様だ? あ?! いったいお前に何がわかったというんだ!? 言ってみろ!オラオラオラ!!」

ヤング臨済和尚は無言のまま、大愚和尚のわき腹にボディブローを3発叩き込みました。

大愚和尚はヤング臨済和尚を突き放すと言いました。

大愚:「お前の師匠は俺じゃない。黄檗だ! とっとと帰りやがれ!!」

―――――つづく

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