北野玲個展「台所展」ごあいさつ

北野 玲個展「台所展」ごあいさつ

ようこそ「台所展」へ。わたくし、北野玲(きたのれい)は当ホテル1666号室で「魔談」連載をしている者です。「えーっ?」と思われましたか。意外でしたか。しかしこの「台所展」に「魔」の要素は全くありません。……あ、疑っておいでですね。大丈夫です。御安心ください。「魔談」はわたくしのダークサイドからゆらゆらと浮かび上がってきた作品ですが、「台所展」は極めてまともな「色鉛筆をこよなく愛する一画家・一講師」という姿勢で描いたライトサイド作品です。「怖い話はちょっと……」とおっしゃる「魔談」敬遠の皆様も、どうぞ警戒せずお気軽にお入りくださいませ。

展示作品はすべて岐阜中日文化センターの「水彩色鉛筆を楽しむ」教室で描いた作品です。この教室は「隔週・2時間」のゆったり講義です。2005年10月開講の教室ですので、かれこれ11年と2ヶ月、つまり134ヶ月になります。毎回の講義で、わたくしも生徒さんたちに混じって必ず制作しますので、教室回数イコール作品点数は、268点ということになるわけです。その中から10点を厳選いたしました。

この教室の生徒さんたちは、みなわたくしよりも年上のベテラン主婦様ばかりです。開講当初はじつに色々なモチーフを描いてきましたが、あるときふと「もっと主婦さんたちが喜んでくださる講義にしたい」と思いました。あれこれ模索し、「主婦にとって、最も馴染みぶかいモチーフはなにか」という点から「それは台所にあるものだ」という結論にいたりました。「野菜や果物こそが、この教室にとっては最も身近で理想的なモチーフ」と考え、よりモチーフに集中するために「ただ1個のみを/皿にさえ乗せない」というシンプルな設定で描くようになりました。さらに講義開始時に15分ほどお時間をいただき、アイパッド片手に「今回の豆知識」と称して、モチーフの原産地、栽培方法、料理方法、栄養価、エピソードなどなど紹介する時間を持ちました。生徒さんが喜んだばかりでなく、わたくしも雑学知識がぐっと増えたというわけです。

さて前口上が長くてすいません。どうぞゆるりと閲覧くださいませ。画材は色鉛筆です。紙はワトソン紙など、いわゆる高級水彩紙と呼ばれるザラッとした荒目の紙を好んで使っております。

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