照れ屋さんたち

みなさまこんにちは。
ホテル暴風雨、客室係のハナですよ!
今スタッフの間では、庭の巨大豆ぶらんこが大ブームなんです。私も実は乗りすぎて、今もまだ地面が揺れている感じがするんです。今日はぶらんこ気分でお掃除です♪
楽しかったな〜、豆ぶらんこ!豆の気分になれるぶらんこだなんて、本当にシェフ・シムシムは天才だと思います。豆って、さやの中に隠れているあの奥ゆかしい感じが可愛いですよね。しかもあの巨大豆のさやの中はフカフカの毛で覆われているので、中に入るととっても気持がいいんですよ。

豆ぶらんこはまだ試作なのですが、ラウさんの作った豆ハンモックは、もうお客様に乗っていただけるよう、各サイズを取り揃えて公開されました。
4649号室にご滞在の浅羽容子先生も、ぜひハンモックでお昼寝したいとおっしゃっていたので、さっそくお知らせしようと思っているところです。

私、「シメさばケロ美の小冒険」が大好きで、特にケロ美ちゃんの大ファンなんです。もしかしてケロ美ちゃんが遊びに来たりしないかなあって、特に4649号室の近くに行く時には、ドキドキしてしまいます。しかも、新しいお話を読んだら、メギさんやシェフ・シムシムがケロ美ちゃんに会いに行っているみたいじゃないですか!ああ、うらやましいなあ〜。

さて、4649号室の前に着きましたよ。浅羽容子先生はいらっしゃるでしょうか。なんだか緊張するなあ……あれ、廊下の突き当たりに見えるあの影は、カエル……カエル頭巾?まさかケロ美ちゃん!?

ハナ:「こんにちは。どなたですか?もしかして、4649号室にご用ですか?」

??:「ケ、ケロミダヨ!」

……!?!?なんだか、あからさまに怪しいです。ケロ美ちゃんにしては小柄過ぎるし、しかもあの羽は……

ハナ:「メアカさんじゃないですか!」

メアカ:「やあ、ハナさん。こんにちは」

ハナ:「かわいいですね、そのカエル頭巾、いいな〜!でもここで何をしてるんですか?」

メアカ:「ふふふふふ。ケロ美ちゃんのファンなもので、もしかして遊びに来てくれないかなあと思いましてね」

ハナ:「わかります、4649号室の前に来るとドキドキしますよね」

メアカ:「ただ、ケロ美ちゃんは照れ屋さんじゃないですか。いきなり声をかけてもきっと隠れてしまうでしょ。でも、偽ケロ美のふりをしていたら、なんだかんだで冒険好きのケロ美ちゃんのことですから、怪しんで向こうから様子を見に来てくれるんじゃないかと」

ハナ:「メアカさん、頭いい!!そんなこと、全然思いつきませんでした」

メアカ:「今スタッフは誰もいないと油断していたんですが、さすが張り込み待ち伏せが得意なハナさん、見つかっちゃったなあ」

ハナ:「ええっ、張り込み?……、ああ、ボッフィーに会うための作戦のことですね。はい、もう、ボッフィーのためなら張り込みの3日や4日、余裕です!」

メアカ:「そんなにボッフィーの張り込みばっかりしてたら、怒られちゃうけどね」

ハナ:「そうでした、今のは内緒でお願いします」

メアカ:「それにしても、ボッフィーといい、ケロ美ちゃんといい、ハナさんはよっぽど照れ屋さんが好きなんですねえ」

ハナ:「言われてみたらその通りかも!気がつかなかったです。会いたいのになかなか会えなくて残念だなあと思ってましたけど、私の趣味が原因じゃ、しょうがないんでしょうか」

メアカ:「う〜ん、そのうち会えるかもしれないじゃない」

ハナ:「そうですよね。好きなものは好きなので、変えられないし。それよりほら、見てください、このポーチ!」

メアカ:「おおっ、カエル頭巾型!」

ハナ:「さっすが〜!わかってもらえて嬉しいです。カエル型じゃなくてカエル頭巾型ポーチなんです」

メアカ:「下の結び目がポイントだね」

ハナ:照れて頭巾で顔を隠してしまった時のケロ美ちゃんイメージなんですよ!」

メアカ:「じゃあ、カエルの鼻の穴からケロ美ちゃんが覗いているかと思うと!」

ハナ:「たまらないでしょう?ウルミさんに作ってもらっちゃいました」

メアカ:「いいね、いいね、いいね!!」

ハナ:「ああっ!誰か来る!」

メアカ:「ケロ美ちゃん? いや、あれはキャプテンの足音。やばい、カエル頭巾を隠さないと。ていうかもう全身隠れちゃおう」

ハナ:「えっ、待ってくださいよ〜! あれ、私は客室係で、今はお掃除中なんだから、別に隠れなくていいか。うん、地面がゆらゆら揺れているけど、ぶらんこ気分で仕事仕事♪」

というわけで、今度メギさんやシェフ・シムシムに是非とも詳しくお話聞いてみないとと思っています。ハナでした。


浅羽容子作「シメさばケロ美の小冒険」はこちらで全話読めます、面白いですよ!

日常これすなわち小冒険。シメさば屋三女「シメさばケロ美」と仲間たちのお話です。

なにしろ文学の新ジャンル、「餅文学」の代表なのです。餅文学とは何か、はこちらを

モチモチした味わい、「餅文学」のススメ。餅文学の代表作、「シメさばケロ美の小冒険」の魅力に迫ります。モチ肌モチ代が。誰?

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