しまや出版 小早川真樹社長第4回

小早川真樹社長インタビュー第4回です。今回は、社長であることのやりがいと大変さを語っていただきます。そして後半では小早川社長自身が作られた同人誌「MK」のご紹介も!


自分の責任で仕事をする喜び

社長に一番必要なものはなんだと思われますか?

「我慢する力、ですかね、ぼくの場合は。
うちは若いスタッフが多いので仕事経験も浅い。至らぬところがあって当然なんですが、つい『ぼくだったらもう終わっているのに』『ぼくだったらこうするのに』とストレスを感じてしまいます。
でも、一つ一つ口を出していると彼らのためにもならないし会社のためにもならないでしょう。ぐっと我慢して、日々温かく彼らを見つめるというか見守るというか。
カリカリするなよ、と自分を戒める毎日です」

しまや出版 小早川社長 スタッフと

スタッフと気合を入れる(?)小早川社長

社長としてのやりがいはどんなところにありますか?

「全部。仕事していて、人と接すること、アイデアが形になること、一つ一つにやりがいを感じています」

社員のとき以上に、ですね?

「そうです。自分の責任で仕事をしている喜びといいますか。
ふりかえれば、サラリーマンだったころは甘ちゃんだった、なんて楽してたんだろうと思います。正直にいえば社員のときは『嫌なら辞めればいい』という気持ちもどこかにありました。今はそんなこと考えられないです。
経営者って逃げ場がないんですよ。潰れようが儲かろうが全部自分の責任。この会社をどうにかしない限り、自分の生活も社員の生活も成り立たない。
ぼくは今が人生で一番仕事していると思うし、大変なことだらけなんですけど、全部がやりがい。
大変なことにすら喜びを感じるっておかしいですよね(笑)」

しまや出版のスタッフにも同人誌を作っている方がいると聞きました。

「同人誌が好きでうちに入ってきた社員がほとんどなんです。だから作ってたり買ってたり、みんな何かしら同人誌に関わってきていますね」

社長ご自身も同人誌を作られたとか?

「はい。去年の夏、初めてコミケに個人として出展しました。
ずっと思っていたんですよ。同人誌印刷会社の社長なのに自分で同人誌を作ったことがない。これはダメなんじゃないかと。経験豊富なスタッフに指導してもらって、ついにやってみました。いやあ、本作る人ってすごいな、と思いました。これです」

小早川真樹社長同人誌「MK」 小早川真樹社長同人誌「MK2」

(「MK」と「MK2」――MKは町工場【MACHI-KOJYO】であり、真樹・小早川【MASAKI-KOHAYAKAWA】でもある)

表紙かっこいいですね!

「ありがとうございます。パワーポイントで一生懸命文字を選んで、0.5mmずつちょこちょこずらしたりして作りました。ぼくはイラストレータもフォトショップも使えないので、全部パワポです。そんな人でも同人誌作れます(笑)」

コンセプトはなんでしょう?

「町工場の魅力を伝えたい、ですね。自分が書けることは何かと考えたら思いつきました。町工場の経営者の友達が多いから、それを取材して記事書いちゃえと。1冊で5つずつの工場を紹介しています」

同人誌といえばマンガ、小説のイメージが強いですが、こういうのもあるんですね。

「確かにマンガ・小説が多いんですが、他にもイラスト集、写真集、料理本や旅行記など本当にいろんな同人誌があるんですよ。ぼくのMKはコミケの中では『情報・評論系』というジャンルになります」

しまや出版 小早川真樹社長コミケ出展

「コミックマーケット91」出展中の小早川社長

初出展の手応えは?

「面白かったです。町工場を扱っている同人誌が少ないから興味を持ってもらえました。ぼくのことをまったく知らない方が買ってくれたり、初めてのわりには高評価いただけたと思います。
毎晩仕事を終えたあとコツコツ作るのは大変でしたが、いい経験でした。今後もコミケにあわせ年2回作っていきたいと思っています」

小早川社長インタビュー、4月3日(月)更新の次回はいよいよ最終回です。今後の事業展望についてうかがいます。どうぞお楽しみに!


小早川真樹(こはやかわ まさき)
千葉県安房郡鋸南町出身。大学卒業後、大手英会話学校にて企画・広告業務を経験。その後マーケティング業界、無線通信機業界を経験。2007年1月に入籍すると4月に義父が急逝。同年9月より義父が営んでいた印刷・製本会社の しまや出版 に入社。全く未経験で知識が皆無のオタク業界、印刷・製本業務に苦労するも、未経験を逆手に取った戦略を実施し、廃業の危機を救う。現在は当社代表取締役として、個人の印刷物を「宝物」と位置づけ、多くのファンを獲得している。