ボローニャブックフェア 2018 速報 〜『ボローニャてくてく通信』より〜

2018年のイラストレーター展受賞者たち。彼女らを含む日本人10人が入選し、うち酒井りかさん(右端)と澤田久奈さん(右から2人目)はさらに他イベントへの公式起用が発表された

2018年のイラストレーター展受賞者たち。彼女らを含む日本人10人が入選し、うち酒井りかさん(右端)と澤田久奈さん(右から2人目)はさらに他イベントへの公式起用が発表された。

ホテル暴風雨読者のみなさま、こんにちは。てらしまちはるです。

3月26〜29日に開催されたイタリア・ボローニャブックフェアから戻りました。現地ではあの大ニュース発表の瞬間に立ち会うなど、刺激たっぷりの日々でしたよ!

本記事では、とれたてのブックフェアダイジェスト速報をお届けします。てらしまちはる発信の今年のウェブ速報はここ、ホテル暴風雨のみでの公開です。最後までどうぞお楽しみください。

ボローニャブックフェア 2018 ダイジェスト速報

絵本人にとって、ボローニャブックフェアは未来にコマを進める貴重な仕事の場。一方で、フェア内での注目トピックやトレンドを知れば、その仕事を軌道にのせる材料として大いに役立ってくれます。2018年の目玉を、まずは俯瞰してみましょう!

角野栄子さん、国際アンデルセン賞受賞の瞬間。現地時間3月26日15時半ごろ

角野栄子さん、国際アンデルセン賞受賞の瞬間。現地時間3月26日15時半ごろ。

今年は、やはり角野栄子さんの国際アンデルセン賞作家賞受賞が、日本にとっての最大の話題でした。初日の3月26日にフェア内で行われた同賞の審査結果発表で公表され、日本でも数時間のうちに速報が流れましたね。ささやかながら、私も会場で速報記事を書きました。

同賞は「小さなノーベル賞」とも称される、IBBY(国際児童図書評議会)主催の子どもの本の栄えある賞。2年ごとに画家部門・作家部門で各1名が選出され、ボローニャブックフェアで結果が発表されることになっています。

判明の瞬間、角野さんご本人は会場にいらっしゃいませんでしたが、日本人列席者らは互いに顔を見あわせてよろこびを分かちあいました。私はといえば一瞬何が起こったかわからず、数秒後に事態を理解。うれしい驚きがあまりに大きいと、人間ってこんな反応をするものなんですね。

ボローニャてくてく通信・本編ではこのニュースを、久々の同賞日本人審査員をされた土居安子さん(大阪国際児童文学振興財団)のコメントをまじえ、お伝えする予定です。

また、福音館書店が最優秀児童書出版社賞(Best Children’s Publishers of the Year)を日本の出版社ではじめて受賞したことや、イラストレーター展に入選した方々の自作品へのコメントなど、ここで割愛した注目トピックの数々も紹介しますよ。

福音館書店が、最優秀児童書出版社賞アジア部門で日本の出版社として初受賞

福音館書店が、最優秀児童書出版社賞アジア部門で日本の出版社として初受賞。

メインエリアのイラストレーター展展示風景。昨年に続き、平置きでの展示だった

メインエリアのイラストレーター展展示風景。昨年に続き、平置きでの展示だった。

売り込み戦略にも影響する、フェア全体の傾向は?

さて、ブックフェア全体の傾向はどうだったかというと――。私自身が会場をまわった感触では、日本人が「ザ・外国の本」と感じるものが、どの国でも息をひそめたように思いました。というのは、どぎつい配色やアクセントのききすぎた描き方のキャラクターなど、これまで海外作品としてよくイメージされてきた典型的な絵柄が少なくなったのです。

そして、日本の絵本やイラストレーションでも一般的な「やさしい印象」の配色やフォルムが、会場の大半を占めていた印象でした。日本人イラストレーターにとっては、この傾向は追い風ではないでしょうか。

各国のさまざまなブースが立ちならぶフェア会場

各国のさまざまなブースが立ちならぶフェア会場

売りこみの行列をつくるイラストレーターら。本編では彼らへのインタビューで、実際の売りこみ状況がさらにくわしくわかる

売りこみの行列をつくるイラストレーターら。本編では彼らへのインタビューで、実際の売りこみ状況がさらにくわしくわかる。

ただし、これはあくまで私個人の意見。絵柄にかぎらず、会場の傾向については、実はどんな立場で参加するかによって視点が違うといえます。

ボローニャてくてく通信・本編では国内外の各社編集者や運営サイドなど、他方向からの意見をピックアップし、今年のフェアを立体的にとらえてみようと思っています。こうした傾向を把握できれば、たとえばイラストレーターにとっては、来年の売り込み戦略をより具体的に立てるための資料にもなるでしょう。

規模を拡大した「The Illustrators’ Survival Centre」についても掲載予定

規模を拡大した「The Illustrators’ Survival Centre」についても掲載予定

2年目の注目コーナーほか、独自取材の情報が豊富!

また、個人的に注目していたのが、フェア内で設立2年目を迎えたコーナー「The Illustrators’ Survival Centre」です。ここはフェアを訪れるイラストレーターに、活躍中のプロたちが実践的なアドバイスをする場。

入り口からかなり離れた場所にありましたが、ここを活用して羽ばたかんとする各国のイラストレーターで、コーナーは大盛況でした。詳細を本編でレポートします。

オオノ・マユミさんの売りこみに同行。彼女が手にする印象づけばっちりのアイテムとは? 効果的なアイデアに本編で迫る!

オオノ・マユミさんの売りこみに同行。彼女が手にする印象づけばっちりのアイテムとは? 効果的なアイデアに本編で迫る!

大越順子さん、豊島舞さんほかによるイラストレーター展受賞作座談会も掲載予定

大越順子さん、豊島舞さんほかによるイラストレーター展受賞作座談会も掲載予定。

さらに、活躍中のイラストレーター、オオノ・マユミさんやたけうちちひろさんの実際に学ぶ記事や、今年のイラストレーター展受賞者による作品鑑賞座談会などなど、本編記事は読みごたえバツグンです。

未公開の話題をたっぷりプラスしたつづきは、6/15〜配信の全3回で! ちなみに、目次はこんな感じですよ。ご予約をお待ちしています。

■もくじ(予定、タイトル仮)
・ボローニャブックフェア2018ニュース:土居安子さん、松岡希代子さんほか多数
・ボローニャこんな街:市口桂子さん、スタンザーニ詩文奈さん
・ターニングポイント:たけうちちひろさん
・絵本コラム
・ボローニャさんぽ
・リスト一覧「この出版社が見てくれた」2018年版
・リスト一覧「ボローニャブックフェア関連展示情報」2018年版
・私の売りこみスタイル:オオノ・マユミさん
・つかう人々
・イラストレーター展受賞者座談会:大越順子さん、豊島舞さんほか
・会場への行き方 ほか

ボローニャてくてく通信、予約はじまっています

4/3よりボローニャてくてく通信Facebookページで、本編の登録受付がスタートしました。すでにお申し込みいただいたみなさま、ありがとうございます。締め切り前は混みあう可能性があり、スムーズなご案内のためにもお早めのご予約をお願いいたします。

本編の制作も、じわじわと進んでいますよ。誌面情報をちょっとだけ公開しましょう。創刊号のイラストは、古郡加奈子さんです!

古郡加奈子さんと入選作品(2017年)

古郡加奈子さんと入選作品(2017年)

古郡さんは昨年2017年度のボローニャ・イラストレーター展入選者。現地ではじめて原画を見たときから「この人と仕事してみたい!」と思わずにいられない描き手でした。

昨年の板橋区立美術館巡回展のエントランス装飾などが印象に残っている人も多いのではないでしょうか。そのころには本通信はまだ構想すらなかったので、こんなに早く実現できて私自身驚いています。

本編ご購読で、魅惑の古郡ワールドも約1ヶ月ごとに楽しめますよ。ぜひお申し込みください。

『ボローニャてくてく通信』登録はこちら

ボローニャてくてく通信 - 「いいね!」129件 - 『ボローニャてくてく通信』は1冊まるごとイタリア・ボローニャブックフェアをテーマにした読み物。メーリングリスト有料登録で「印刷データ」をお届けします。

3回シリーズの本連載も、次回5/18で最終回です。そのころには、予約締め切り直前! 本編も完成に近づいているはずです。

次回はボローニャてくてく通信本編の各企画について、くわしい内容の紹介やアイデア発想の視点などをお話します。お楽しみに。

第1回記事『ボローニャてくてく通信』はじめます by てらしまちはる


てらしまちはる(寺島知春)
児童書編集を経て、絵本専門フリーライター。絵本ナビなどの各種ウェブ媒体や雑誌で執筆。2016年9月には雑誌『AERA』(朝日新聞出版)で、読書関連特集に登場した。女子美術大学ほかで特別講師も。2016年より始めたボローニャブックフェア独自取材を今年、『ボローニャてくてく通信』として発表する。てらしまちはる公式HP http://terashimachiharu.com/


【告知】ホテル暴風雨2周年を記念して初のリアルイベントを行います。
4月12日~4月24日、ネット上の仮想ホテルが2週間だけ池袋に出現します。
展覧会&トークショー&ワークショップ! ご来場心よりお待ち申し上げております。
詳細こちら→ ホテル暴風雨2周年記念イベント「心しか泊まれないホテルへようこそ」