意外な(?)中東の一面

《6月24日に、私が滞在しているイギリスで大きな出来事がおこりました。 いわゆるBrexitというイギリスがEUから離脱するか否かの国民投票です。 結果は皆さまもご存じの通り、離脱ということになりました。

このBrexitに関しては、今週中に号外という形で記事にしたいと思いますので、今しばらくお待ちください。》


そして、今回はヨルダンという国を紹介したいと思います。

前回紹介したM君の生まれ故郷ですが、彼に色々と手助けしてもらって、昨年の9月に一度訪れてみました。

私もそうだったのですが、日本人が中東と聞くと、十把一絡げに石油のお蔭で豊かな地域、イスラム教徒の地域、(人によっては)テロがいっぱいで危険な地域、といったイメージを抱く傾向にあります。

でもこれが全て当てはまる国って中東でもあまりないんですよね、実は。

ヨルダンについては、まず石油は産出されません(天然資源としてはリンやウラン鉱石等が採掘されるようです)。
従って、いわゆる中東のゴージャスなイメージは当てはまらない国です。

ヨルダン首都アンマン

ヨルダンの首都アンマン

その代わり、観光資源、それもドバイなどと違い宗教や歴史にまつわる伝統的な遺跡等が多くあります。
例えば、ユネスコ世界遺産にも登録されている古代遺跡のペトラ(コースを歩ききると往復6時間コースになります、九月でもまだ暑かったので倒れそうになりました)、

ヨルダン ペトラ渓谷

ペトラ渓谷

ペトラ遺跡 エルカズネ 宝物殿

ペトラ遺跡 エルカズネ(宝物殿)

ヨルダン ぺトラのシアター跡地

ぺトラ遺跡 シアター跡地

世界でも珍しい塩湖の死海、イエスキリストが洗礼を受けたとされるヨルダン川等、様々です。特にヨルダン川は世界中のキリスト教徒が一度は訪れてみたい聖地のようですね。

キリスト洗礼の地、ヨルダン川

キリスト洗礼の地、ヨルダン川

(ペトラの紹介ビデオがありました。英語版ですが、雰囲気はつかんでいただけると思います。https://www.facebook.com/AmmanCity/videos/10153625630405100/?__mref=message_bubble

また、それらの資源を活かし、国をあげて観光客を呼び込もうとしている姿勢がうかがえます。
たとえば、イギリスでもヨルダンの宣伝をあちこちでみかけますし、TVCMなんかもこんな形で流しています。
https://www.youtube.com/watch?v=CEid0h-nypo&feature=youtu.be

日本も観光立国を目指しているということですが、海外でここまでCM流したりしてるのですかね。

ただ、先ほども言った通り、石油が出ないため基本的にはあまり裕福ではない国です。
従って、観光地に行くと大勢のストリートチルドレンが押し寄せてきます。
これには正直なところ辟易とさせられました。

まぁそれでも物取りやスリなどがほとんどいないのは、ムスリムの国故でしょうか。

また、ヨルダンはイスラム教の考え方に加え、中東諸国の中でも特に伝統的な砂漠の民の文化を引き継いでいるようです。
結果、男尊女卑が(特に男性の)考え方の中に色濃く残っているように思います。前回のM君も含め、中東の男性がプレイボーイになるのも、このあたりの考え方を引き継いでいるためのように思います。

一方、ヨルダンの隣はシリアでして、こちらはイスラム国の拠点がある国としても有名になってしまっている国です。
ヨルダンは非常に安全な国で多くの観光客が訪れるのに対し、隣国シリアは危険すぎて入国禁止になっています。

国境線を挟むだけでここまで状況がことなる現実は、非常にショックでした。

また、現地でガイドをしてくれていたヨルダン人が、「シリア人は信用できない。金のためならなんでもやる。彼らの考え方を変えるには教育を整え、世代が変わるのを待つしかない」と言っていたことも衝撃的でした。

たとえば日本と中国のように海を隔てていて民族が違う結果、考え方や行動が異なるのは理解できます。しかし、隣国同士、しかも宗教も同じ国家間においても、全く違う状況ができてしまうことが陸続きの国家の不思議なところです。

いかがだったでしょうか。
日本から行くにはかなり遠いですが、伝統的な中東の国の様子を知るには良い国だと思います。
本当に少数ですが、日本語を話せるガイドの方もおられるようですので、興味がありましたら是非訪れてみてください。

ヨルダン砂漠昼間

砂漠

ヨルダンの砂漠の夕日

砂漠の日没

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