殻を破るとき 3/4話(出典:碧巌録第十六則「鏡清草履漢」)

このエピソードに対する翠巌和尚のコメントは、次のようなものです。

「南院和尚は名軍師よろしく「籌(はかりごと)を帷幄に運らし、勝ちを千里の外に決す」をやろうとしたのだろうが、いかんせんこの世界は広大過ぎてうまく伝わらなかったようだな・・・」

また、風穴和尚のコメントは次のようなものです。

「南院和尚はその僧を棒で叩いて気づかせようとしたのだが、その場ではうまく伝わらなかったようだな・・・」

さて皆さま、それではいったいどうすれば「草むらでまごまごしとる」と言われないで済むのでしょうか?

雪竇和尚は、このエピソードに対して次のようにコメントしました。

歴代の師匠たちの芸風は実に多様だが、基本的には質問してきた相手を一撃でやっつけてしまうというものだ。

母親とこどもといったところで所詮は別の人間なのだ。
真にピッタリのタイミングでつっつきあうなど、できるわけがない。

仮に外からつっつかれて慌てて生れ出ようとしたところで頭にはタマゴの殻がかぶさったままだし、挙句に棒で叩かれてしまうことになる・・・

世間の僧たちはどうしてそんなものに名前をつけようとするかなぁ・・・

雪竇和尚は「芸風は多様」とコメントしましたが、これは最近の師匠たちに限ったことではなく、当のお釈迦様が既に生まれ落ちるなり立ち上がって、片手で天を指し、もう片手で地を指して、「天上天下、唯我独尊!」と言うようなお方だったのです。

ちなみに雲門和尚はこれに関して「もしもオレ様がその場に居合わせたなら、そんな赤ん坊はただちに棒で打ち殺して犬のエサにしてやるところなんだが!」と言ったそうですが、これもまた「芸風の多様」さの一例と言えるかもしれませんね。

―――――つづく

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