翠巌和尚のマユゲ 1/5話(出典:碧巌録第八則「翠巌夏末示衆」)

完全に悟りきらなくたって、究極の悟りの境地を楽しむことは可能です。
それはあたかも水を得た龍の如く、山中のトラの如く、実にイキイキと、またノビノビと、持てる能力を存分に発揮できる境地です。

究極の悟りを得られるまでは世間の価値観に流されるばかりであって、折角の立派な角も垣根に引っかかって邪魔になりますし、二匹目のウサギがかかるのを期待して同じ切り株をずっと見張るハメになってしまいます。

それでも、ひとつのことさえわかっておれば、なにも究極の悟りの完成を待つまでもなく、見聞きするもの全ての真贋が見抜けますし、ひと言で世界中の人たちを愕然とさせたりすることなど朝飯前。

一本の草にブッダのハタラキをさせたかと思ったら、ブッダに一本の草のハタラキをさせる。

・・・私はいったい何の話をしているのでしょうか?

それはさておき、夏も終りのある日のこと、翠巖(すいがん)和尚は弟子たちを呼び集めて言いました。

翠巖:「ワシは夏期講習のあいだ中、ずーっとお前たちに説話をしてきたわけだが、どうだい、ワシのマユゲはまだちゃんと生えているかな?」注:当時、「誤った説話をした坊主はマユゲが抜け落ちる」という俗信があった。

3人の弟子が回答しました。

保福:「確信犯なら大丈夫ってヤツですよ。」

長慶:「いやいや、和尚のマユゲは今ようやく生え揃ったところじゃないですか。」

雲門:「閉店、ガラガラ!」(シャッターを閉じる仕草)

―――――つづく

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