自分次第 2/3話(出典:碧巌録第十五則「雲門倒一説」)

雲門和尚は、この前のエピソード(第十四則)の質問である「お釈迦さまが一生をかけて教えてくださったのは、要するに何か?」に対しては「相手次第だ」と答えましたが、今回の「目の前で起こっているハタラキではなく、目の前にあるモノでもない場合はどうしたらよいか?」に対しては「自分次第だ」と答えました。

ここでは是非とも言葉が一箇所違うだけで実に様々なニュアンスが生じてくる面白さを感じていただきたいところです。(仏教では「たったひとつでも法を立てたら、そこからどんどん法が生み出され、あちこちに学習塾の看板が立つことになる」と言います)

「目の前で起こっているハタラキではなく、目の前にあるモノでもない場合はどうしたらよいか?」などいう質問は相手の反応を見てツッコむことを狙ったものですので、ただちにこちらから先にツッコミを入れてしまうのが正解です。

その点、雲門和尚は実に上手に相手と同じ馬に乗ってみせました。

ある人はこのエピソードを「これは本人しかわからないことを尋ねているわけなので、「自分次第」としか答えようがなかったんだよ。」などと解釈していますが、的外れです。

確かに雲門和尚は一撃で質問を打ち砕いたわけなのですが、本来は「自分次第」などと答えてしまうのも言わずもがな。(言葉にしてしまうとどうしても様々な解釈が生じてしまうことはこれまでもお話してきたとおり)
お寺に立っている塔や灯籠が言葉を話すというのも妙な話ですよね。

雪竇和尚はこのエピソードに対して、次のようなポエムを詠みました。

自分次第
分けられないものを分けてみせたのはキミのため
みんなは意味がわからない
トラの穴には三十三人
なんてこった! なんてこった!
水面の月がゆらゆらふらふら

―――――つづく

☆     ☆     ☆     ☆

電子書籍化 第2弾!『超訳文庫 無門関 Kindle版』(定価280円)が発売されました。公案集の代名詞ともいうべき名作を超読みやすい現代語訳で。専用端末の他、スマホやパソコンでもお読みいただけます。

超訳文庫 無門関 ぶんのすけ

【amazonで見る】

第1弾の『超訳文庫アングリマーラ Kindle版』(定価250円)も好評発売中です。<アングリマーラ第1話へ>

「超訳文庫アングリマーラ」ぶんのすけ

【amazonで見る】


スポンサーリンク

フォローする