三斤の麻布 1/3話(出典:碧巌録第十二則「洞山麻三斤」)

とある僧が洞山和尚に尋ねました。

僧:「仏様とはいったいどのようなものなのでしょうか?」
洞:「三斤(約2kg)の麻布だよ。」

禅の本を読み慣れた人であれば、「ああ、また始まったか・・・」と思うところでしょう。

高名な師匠たちは皆それぞれの「仏とはなにか?」に対する答えを持っていて、ある人は「仏殿の中にあるヤツだな。」と言い、ある人は「三十二のナイスな表情があるよ。」と言い、またある人は「一丈六尺の竹の杖だ!」と答えました。

で、今どきの人はといえばすぐに字面につられてしまうので、「これはアレだよ。質問を受けた時、洞山和尚はちょうど袈裟に使う麻布を量っていたところだったから、一着分の分量を答えたんじゃないかな?」とか、「東について質問を受けたから、反射的に西についてこたえたんだよ。」とか、「「君自身が仏じゃないか!」というのを遠回しに言ったんだよ。」とか見当違いなことばっかり言います。

挙げ句に「麻布こそ仏そのものだということじゃない?」などと言うスットコドッコイまで現れる始末・・・

こんな調子では五十六億七千万年かけたところで全く見込みなしです。

これまでに何度も申し上げましたが、言葉は真実の入れ物に過ぎませんので、入れ物についてどれだけ研究したところで真実にはたどり着けないのです。

師匠たちがあれこれ言葉にしているのは全て方便でやっているだけですので、本当に真実を悟ることができたなら忘れてしまってよいのです。

私の師匠の雪竇和尚の師匠であった法演和尚は言いました。

「商才のないヤツが麻布三斤を安売りしたが、千百年間も売れ残っちまってこの世に身の置き場もないときたもんだ!」

―――――つづく

☆     ☆     ☆     ☆

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