ダルマが来た意味 ~香林和尚編 1/2話(出典:碧巌録第十七則「香林西来意」)

とある僧が香林和尚に問いかけました。

僧:「達磨大師はなぜ、わざわざインドから中国までやってきたのでしょうか?」
香:「座り続けでお疲れさん!」

クギや鉄をすっぱり切断できるようでなければ、その道の達人とはいえません。
飛んでくる矢や刀を怖がって逃げ惑うというのではとてもとても・・・

香林和尚は「座り続けでお疲れ」と答えましたが、さて、これはまたいったい何のことでしょうか?

当時、雲門和尚が大勢の弟子を従えてブイブイいわせているという評判を聞き、香林和尚ははるばる蜀の国から出てきて雲門和尚の弟子に加わりました。

それから十八年もの間、香林和尚は侍者として雲門和尚のそばについていたのですが、雲門和尚は特にアドバイスをくれるわけでもなく、ただ「遠くん!(注:香林和尚の本名は澄遠)」と呼びかけてくるだけ。

香林和尚が返事をすると雲門和尚は毎回「なんでやねん?」と言うので、香林和尚は気の利いたことを言おうとして精神が消耗するほど必死に考えて答えるのですが、結局一度もウケを取れませんでした。

十八年経ったある日、香林和尚は突然ひらめいて「あっ、わかりました!!」と叫びましたが、雲門和尚に「そのままやんけ!!」と言われてさらに三年間侍者を継続したとか。

雲門和尚は香林和尚をほとんど指導せずに放置していたように思われがちですが、講義の際に香林和尚はいつもすぐ隣にいましたので、雲門和尚の二十一年分の講義は全て香林和尚の中に収録されたというわけです。

後に香林和尚は蜀に帰り、その地で盛んに弟子たちを教化しました。(私の師匠である雪竇和尚の師匠の智門和尚も香林和尚のお弟子です)

雲門和尚は数え切れないほどの人を教化しましたが、後になって弟子筋の中で一番人気が出たのは香林和尚でした。

香林和尚の教化は四十年に及び、八十歳の時、「ワシは四十年かけてようやく全てをひとまとめ(打成一片)にできたよ。」と言って亡くなられたということです。

―――――つづく

☆     ☆     ☆     ☆

電子書籍化 第2弾!『超訳文庫 無門関 Kindle版』(定価280円)が発売されました。公案集の代名詞ともいうべき名作を超読みやすい現代語訳で。専用端末の他、スマホやパソコンでもお読みいただけます。

超訳文庫 無門関 ぶんのすけ

【amazonで見る】

第1弾の『超訳文庫アングリマーラ Kindle版』(定価250円)も好評発売中です。<アングリマーラ第1話へ>

「超訳文庫アングリマーラ」ぶんのすけ

【amazonで見る】


スポンサーリンク

フォローする