普照和尚による前書き(1128年)(出典:碧巌録「普照序」)

仏様が示された究極の真実に関する教えや、歴代の師匠たちの強力な指導術。

それらはまさに凡人のホネを仙人のホネと入れ替えて絶大なエネルギーをチャージさせる素晴らしいものですが、文学的センスに優れた雪竇和尚はポエム(頌)という新たな武器をそこに持ち込むことでややもすればマンネリ化しがちな禅問答の世界に新風を吹き込まれました。

究極の真実に背かないということの他には一切のタブーを持たず、仏様や歴代の師匠たちであっても容赦なくポエムで煮たり焼いたりすることを通じて、弟子たちに「一段上に進む」ためのヒントを与え続けたのです。

そういう意味では雪竇和尚は歴代最強といってよい師匠なのですが、そのやり方は新参者にとってはまるで銀でできた山、あるいは鉄でできた絶壁のように取りつくしまもなく、全く歯が立たないものでもありました。

そこで私の師匠である圜悟和尚は、夾山霊泉禅院の方丈である碧巌庵の主であった時に、迷える弟子たちの助けになればということで、昔の師匠たちのエピソード(公案)百話について彼なりの解説を実施したというわけです。

禅は言うまでもなく「不立文字」が信条であり、「究極の真実は言葉では表現できない」というのが鉄則です。

圜悟和尚は敢えて言葉で解説してくださいましたが、これはあくまでも彼の慈悲心から出た方便なのであって、もし言葉尻にとらわれるようなことになれば、仏様の教えはその場で滅んでしまうということは肝に銘じておかねばなりません。

このたび圜悟和尚の弟子筋の者たちがその解説をまとめて書物として出版することになり、和尚から直接講義を受ける立場にあった私が前書きのご指名にあずかった次第です。

建炎戌申(1128年)三月三十日   圜悟和尚の直弟子 普照 謹んで記す。

<普照和尚による前書き(1128年) 完>


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