蓮華峰庵主の杖 2/3話(出典:碧巌録第二五則「蓮華庵主不住」)

善道和尚は廃仏令の只中にあっても挫けずに活動した人でしたが、修行者が来るといつも杖を掲げて見せながら次のように言うのが常でした。

「諸君! 過去の仏はこんな感じだったし、未来の仏もこんな感じなのだ。そして、現在の仏もこんな感じだ!!」

またある時、雪峰和尚は弟子たちの前で杖を掲げてこう言いました。

「いいかオマエら! こんなものは所詮、レベルが中か下の連中のためのものに過ぎないのだ!!」

すると弟子たちの中から「それではレベルが上の上の人に対してはどうされますか?」という質問が飛び、それを聞いた雪峰和尚は何も言わずに杖を持ったまま帰ってしまいました。

それを見ていた雲門和尚が「いやはや、お師匠ときたらメチャクチャだな・・・ オレならあんなぶち壊し方はしない。」とつぶやいたのを聞いた弟子が「ほう、アンタならどうするんだい?」と言いかけたところで雲門和尚はその弟子を打ったとか。

本来、修行僧が師匠に対して「仏の教え」を問うというのは極めて簡潔であるべきで、グダグダしたことはやらないものです。

きっとあなた方は、外界には山河大地があって内界には見聞知覚があり、上には追求すべき仏様が、下には教え導くべき衆生がいると考えているのだと思いますが、それらを全て吐き出してしまわないと、心の平穏は得られません。

それらの区別を捨て去り、いわゆる「打成一片」となった人にとっては毛先は宇宙のように広々としたものであり、灼熱地獄も極楽同様、金銀財宝に囲まれていたところで草むらで野宿しているのと同じです。

蓮華峰庵主は弟子たちが答えられそうもないのを見て「それではいったい、どうすればいいと思うかね?」と尋ね、それでもやはり答えられそうもないのを見て「杖を横に担ぎ、脇目も振らず一気に深山に踏み込むのだ!!」と言いました。

なかなかにシュールな感じですが、自分で起き上がって自分から倒れているわけですので、一種のノリツッコミと言えるかも知れません。

厳陽尊者は道端で出会った修行僧の杖を取り上げて「これはいったい何だ!?」と言ったそうです。

その僧が驚いて「??? わかりません・・・」と言うと、厳陽尊者は「杖も知らんのか!!」と言ったとか。

厳陽尊者はさらにその杖を地面に突き刺して「これならわかるか!?」と言い、僧が「わかりません・・・」と言うのを聞いて、「杖を横に担ぎ、脇目も振らず一気に深山に踏み込むのだ!!」と言ったとか。

―――――つづく


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