今回のエピソードに対して、雪竇和尚は次のようなポエムを詠みました。
南の山に雲が起これば、北の山には雨が降る。
インド二十八人と中国六人の伝承者たちの顔合わせ。
辺境の地では講義が始まっているというのに、中央ではまだ開始の合図の太鼓が鳴っていない。
苦の中に楽があり、楽の中に苦がある。
全てが平等だからといって、黄金とウ○コを一緒にしてはいかんよなぁ・・・
「南の山に雲が起これば、北の山には雨が降る」というのはつまり、雪竇和尚が帽子を買うにあたって頭のサイズを測ったり、帆を揚げるにあたって風向きを確かめたりしているのです。
「インド二十八人と中国六人の伝承者たちの顔合わせ」というのは、雲門和尚が「歴代の師匠たちが柱とツーカーの仲」と言った意図に気づかせてくれようとしているのです。
「辺境の地では講義が始まっているというのに、中央ではまだ開始の合図の太鼓がなっていない」に続いて「苦の中に楽があり、楽の中に苦がある」と言ったのは、大サービスのヒントと言えましょう。
「黄金とウ○コを一緒にしてはいかん」というのは、禅月和尚の「世渡りはむつかしい(原題:行路難)」というポエムの一部を引用したものです。
「世渡りはむつかしい」
山高くして海深し。それは計測不可能なほど。
今も昔も変わらず青々。
軽薄な連中とはつきあうな。低地を這いずりまわってもトゲで怪我をするだけだ。
黄金はウ○コのようなものだなんて、誰が言った?
仲良しの英雄たちも、最後は結局殺し合い。
世渡りはむつかしい。世渡りはむつかしいったら・・・
キミ自身の眼でしっかりと見極めないと危ないぞ!
さて、だからといって世を捨てて引き籠もっても何も起こりませんので、その点は充分にご注意くださいませ。
<歴代の師匠と柱 完>
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