このエピソードに対する私の師匠の雪竇(せっちょう)和尚のコメントは次のとおりです。
一所懸命やればメクラ扱いされずに済むかって?
なんでまたそんな満腹の牛の頭を草に押しつけるようなことをするかなぁ・・・思えば歴代の祖師たちも余計なことをしてくれたもんだ。
わざわざ「仏の教え」なんか伝えて皆を困らせるとは・・・それにしても、これほどの重罪だというのに対処しようとしても手のつけどころがない。
これじゃぁ人間たちはみな、陸上にいるのに溺れたのと一緒ではないか!
確かに、長慶和尚の「見えていないというのか?」などという質問は、保福和尚にとって空腹でもないのにむりやり食事を押しつけられるようなものなのかも知れません。
雪竇和尚はさらに歴代の祖師をディスっていますが、なにも長慶和尚一人を批判するのにインドに二十八人、中国に六人、あわせて三十四人もいる祖師たちまで巻き添えにしなくてもよさそうなものです。
そもそも初代のお釈迦様は四十九年の間、教えを説き続けたということになっていますが、保福和尚にとってみれば、それもこれも全部余計なお世話なのかも。
ここで読者の貴方に質問です。
雪竇和尚は最後に「これほどの重罪だというのに対処しようとしても手のつけどころがない」と言いましたが、これはいったい何の話だと思われますか?
私も説明できるものならしたいところですが、ここはひとつ、貴方ひとりでじっくりと考えてみてくださいな。
それにしても雪竇和尚、祖師全員を引き合いに出して人類をみな生き埋めにしちまうなんて、全くなんてことをしてくれるんでしょうね。。。
<どこから来たの? Ver.3 完>
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