鉄の牛 2/7話(出典:碧巌録第三十八則「風穴鉄牛機」)

威勢よく啖呵を切って飛び出していったヤング風穴和尚ですが、しばらくするとまた戻ってきました。

清:「・・・なんだ、結局また来たのか。」
穴:「いやいや、先程はついカッとなってしまい、大変失礼いたしました。」

清:「もういいんだよ。・・・それより、「東から来た」と言ったよな?」
穴:「東の果て、宝箱の蓋には雪が降り積もる・・・」

清:「やっと正気に戻ったかと思ったのに、なんでまた、ここでポエムなぞ詠むかね?」
穴:「剣客には剣を!詩人には詩を!」

清:「・・・詩はもういいよ。剣はどうした?」
穴:「例の刺客に自分の首ごと渡しちまいましたよ。」

清:「こいつ、救いようのないバカだな・・・ 」
穴:「逆にそのぐらいでないと役に立たないんじゃないですかね?」

清:「「役に立つ」って、いったい何の?」
穴:「おっと、ノッてきましたね。 他に何か言いたいことはありますか?」

清:「まったく、東から来るヤツにロクなものはおらんな・・・」
穴:「ほうっておいたって、そのうちなるようになるもんです。なにもわざわざやめさせることはないですよ。」

清:「空に届くほどの巨大な波も、やはり海から離れてはいないのだよ。 ・・・おっと、それを言っちゃあ、オシマイだったか。」
穴:(礼拝)

清:「・・・ふむ、オマエ、なかなかオモロイな。まぁ座れ。一杯やろう!」

―――――つづく

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