ティーセレモニー 3/4話(出典:碧巌録第四十八則「王大傳煎茶」)

忠国師と、とある学僧との会話です。

忠:「キミキミ、聞くところによれば「思益経」の注釈本を書いているとか。」
僧:「ええ、そのとおりですが何か?」

忠:「ということは、仏様のお考えがバッチリよくわかっているということだよね?」
僧:「まぁ、そういうことになりますかね。」

忠:「はい、ここで質問です! ここに水をはったお椀にと米を七粒入れてお箸を一本だけ乗せたものを用意しましたが、これはいったい、どういう意味でしょうか?」
僧:「・・・すみません。全くわけがわかりません。」

忠:「オマエさん、そんなんでよくもまぁ、仏様の考えがわかるなどと言えたもんだな!」

さて、雪峰(せっぽう)和尚が若い頃、洞山和尚の寺で料理当番をやっていた時の話です。

ある日のこと、雪峰さんが台所で米をといでいるところに洞山和尚がやってきました。

山:「おい、オマエさん、いったい何をやっとるんじゃ?」
峰:「見りゃわかるでしょ? 米をといでるんですよ!」

山:「ほほう、そうかい。で、今オマエさんがやっているのは、次のうちどっちじゃな?
1.米から砂を取り除いている。2.砂から米を取り除いている。」
峰:「米も砂も、どちらも同時に取り除いているんですよ!!」

山:「オマエ・・・そんなことをしたら、みんなが食べるところがなくなるじゃないか!」

雪峰さんはそれを聞くと、ものも言わずにザルをひっくり返して米を地面にぶちまけました。

で、洞山和尚は「オマエはワシの弟子じゃない。出て行け!このヤロウ!!」と言ったとか。

なかなかのやり手だとは思いますが、私にはやはり先の雪竇和尚の「ワシならその場で茶炉ごと蹴り倒してやるところだ」というツッコミの方がイケてるように思えますね。(笑)

―――――つづく

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