まぁしかし、師匠としては「コイツ、肝心なところがわかっとらんな!」という場面においては「わけわからん」と言われようが「シュール」と言われようが、グダグダ覚悟で敢えて実力行使にでることもあるのかも・・・
このエピソードに対し、雪竇和尚は次のようなポエムを詠んでいます。
はてさてカモは今どこに?
師匠が必死に教えても、芸風の違いはどうしょもない。
それにしても「飛び去れ!」と言いながらガッツリ捉まえるなんて、全くもってどっちやねん!・・・
考えてみれば、馬祖和尚の「どこへ行くのか?」という問いは、これ以上ないぐらいストレートな直球勝負です。
にもかかわらず、エース級の弟子が「飛んでいってしまった」などと大ボケをかましてきたので、全力でツッコミを入れたというのがこのエピソードの真相なのではないでしょうか。
雪竇和尚の「「飛び去れ!」と言いながらガッツリ捉まえるなんて」という指摘はなかなか痛いところを突いています。
ここで「叫び声をあげればいい」と考えるのはまるでイケていないというのは先にも言いましたが、かといって「ここで叫ばなければいつ叫ぶの!?」と聞かれたら、私も返答に窮してしまいます・・・
さてさて、どうやったら「飛び去」れるのでしょうか?
読者の皆さん、そこのところ、一緒に考えてみようではありませんか。
<カモは飛んだか? 完>
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