外道の質問 2/5話 (出典:碧巌録第六十五則「外道問佛有無」)

そういえば、雪竇(せっちょう)和尚の跡を継いだ義懐和尚は、かつてこんなことを仰っていましたっけ。

「維摩のオッサンが文殊菩薩の質問に対して「黙っているだけで答えなかった」とか「ただニコニコしていた」とか言うヤツがおるが、トンデモないことじゃ! 「身じろぎひとつしない」で問答などできるものか! あの伝説の名剣である吹毛(すいもう)剣は箱の中に入った状態でもギラリと剣光凄まじく、並み居る外道も天魔も手のつけようがなかったというではないか!!」

修行にやってきた道常和尚に対して法眼和尚はこの話を提示し、何日か経ってから聞きました。

眼:「どうじゃ? 何かわかったかな?」
常:「いや・・・何となくですが、外道とブッダが問答したエピソードに近いような気がします。」

眼:「ほう! どんなところがだい?」

で、口を開こうとした道常和尚を遮って、法眼和尚は言いました。

「こらこら! 「黙っているだけで答えなかった」ことの解説などせんでよろしい!!」

それを聞いた道常和尚はガビーンと悟ったとか。

後日、道常和尚は弟子たちに対して次のような話をしました。

「いいかオマエら! オレ様には弟子の力量を見抜くための三つの必殺技がある! それは「喫茶(茶でも飲んで眼を覚ませ!の意)」と「珍重(ハイご苦労さん!の意)」と「歇(オマエ寝てないだろ?の意)」だ! この三つのどれかを投げかけて即答できないようなヤツは全然わかっていないというわけだ。」

外道と呼ばれる人たちは、四つのバラモン経典(リグ、サーマ、ヤジュール、アタルヴァ)を熟読・暗記していることを根拠に「オレ様の知らないことは何もない!」という思い上がりがあります。

で、見境なく人に問答をふっかけては喜んでいるわけなのですが、相手にブッダを選んだのは大失敗でした。

ブッダは毛筋ほどの労力すら費やすことなく、外道を改心させたのですから。

―――――つづく

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