なにか素晴らしいこと 2/2話(出典:碧巌録第二十六則「百丈奇特事」)

雪竇和尚はこのエピソードに対して以下のようなポエムを詠みました。

伸びるも縮むも自由自在!
そのハタラキは電光石火!
羽の生えたトラが世界中を翔けめぐる!
・・・まさかそのヒゲを引っ張ろうとするヤツがおろうとは。(苦笑)

この「羽の生えたトラ」とはもちろん百丈和尚のことを指しており、その教導手法の自由闊達さを称えたものです。百丈和尚は馬祖和尚の弟子でしたから、「馬」に譬えて「天馬=ペガサス」と呼んでもいいかも知れません。

そういえば、とある僧が馬祖和尚に「仏の教えって、要するにどういうことですか?」と尋ねたところ、いきなり殴られた挙句に「いや、ここで殴らないと、ワシゃ世間の笑いものになってしまうでの!」と言われたとか。

また、とある僧が馬祖和尚に「ダルマ大師がインドからわざわざ中国にやってきたのは何のためでしたっけ?」と尋ねたところ、「教えてあげるからもうちょっと近くに来なさい。」と言われたので近づいたら、耳の辺りを思いっきりビンタされた挙句に「このことはワシとオマエだけの秘密じゃからな!」と言われたとか。

・・・なんともモノ凄い「電光石火」ぶりだとは思いませんか?
百丈和尚は、この芸風を受け継いでいるのです。

巌頭和尚は言いました。

「きっぱりと払い去るのが上策、ずるずると追いかけるのは下策。
どうしても議論したいというのであれば、ワシは回転軸の上に立つことにするよ。」

雪竇和尚は言いました。

「車のギアは回らない。回しても進めるのは前か後ろだけ。」

・・・回らなかったら車は何の役にも立たないと思うのですが、皆さま、その辺はどうお考えになられますでしょうか?

まぁ、うかつに顔をさし出して、鼻づらを引きずり回されるリスクは避けたい気持ちは私もよくわかりますよ。

しかしまぁ、世の中には羽の生えたトラのヒゲを引っ張るようなマネをするヤツがいるんですよ。

全くもって笑っちまいますよね。
え? 笑えない? それではこの話はここまでにしておきましょう。

<なにか素晴らしいこと 完>

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