終末の劫火 2/3話(出典:碧巌録第二十九則「大隋劫火洞然」)

この「例のもの」に関し、多くの人はあまり深く考えずに「そりゃ「人間の本性」とかのことじゃない?」などと言います。

しかしそれでは問答の続きの「滅びちまう」「それでは私も後を追う」「そうしなさい!!」の意味が通りません。

「後を追え!」と言いますが、いったいどこへ向かえというのでしょうか?

また、逆に「後を追うな!」と言われたとしたら、いったいどうしたらよいのでしょうか?

よく言うではありませんか。「本当に親身になってやろうというのであれば、「答え」を求めるために「質問」してはいけない。「質問」は「答え」の中にあり、「答え」は「質問」の中にあるからだ!」って。

この話の後しばらく経ってから、同じ僧が投子和尚に尋ねました。

僧:「終末の劫火が燃え盛り、この世の全てを焼き尽くしてしまった!
さてそんな時、「例のもの」は無事でしょうか? それとも滅びてしまうのでしょうか?」
投:「そりゃあ滅びないよ!」

僧:「・・・なぜ滅びないのでしょうか?」
投:「なぜってオマエ、「例のもの」も「この世」と同じようなものだからさ!」

さぁ、困った!
既に「滅びる」がわからないのに「滅びない」はもっとわからない。(苦笑)

この僧は法真和尚の回答に納得がいかなかったので投子和尚のところまでやってきて同じ質問をしてみたわけなのですが、上の問答の後、投子和尚に「ちなみにオマエ、どこから来たんじゃ?」と尋ねられ、「西蜀の大隋禅師のところから来ました。」と答えています。

さらに投子和尚に「大隋禅師はどんな話をしてくれたかな?」と尋ねられ、冒頭の「滅びちまう」の話をしたところ、投子和尚はおもむろに焼香を始め、礼拝してから「西蜀にとんでもない高僧が出現したようじゃな。オマエ、早く戻りなさい!」と言われたとのこと。

その僧が急いで西蜀に戻ってみると、法真和尚はすでにお亡くなりになっていたそうな。

―――――つづく

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