国師に会いに 2/3話(出典:碧巌録第六十九則「南泉拝忠国師」)

石霜和尚は言いました。

「牛を目的地まで連れて行こうというのなら、手綱をしっかり握っておかないとな!」

・・・ああ言えばこう言う、つつけばクルリとかわされる。まるで水に浮かんだ瓢箪を棒で沈めようするようなもんですね。

「これって、単に話がかみ合っていないだけなんじゃないの?」と思われる方が大半なのではないかと思いますが、そういう人たちはモノゴトの「究極の姿」を理解していないのです。

禅僧たちの言動だけを取り沙汰してもダメなのです。

南泉和尚がフリを入れれば、一人は描かれた円の中に座り込み、もう一人は女性のように立ったままでお辞儀をする。・・・なんと素晴らしい!(笑)

さらに南泉和尚が「そういうことであれば、行くのはやめにしよう。」とボケれば、帰宗和尚は、「なんでやねん!!」とツッコむ。・・・これまた素晴らしい!(笑)

要するに帰宗和尚は南泉和尚を試したのですね。

南泉和尚は常々こう仰っていました。

「「究極の真実」なんてものは、掴んだその瞬間にもう別のものに変わっちまうからなぁ。」

雪竇和尚は、このエピソードをネタに次のようなポエムを詠みました。

弓の達人「養由基」、ある時サルに矢を放つ。
矢は真っ直ぐに樹をめぐる。
これまで大勢「矢」を射たが、当てた者は誰もいない。
帰ろうか? 帰りましょう!
国師に会いに行く道は、真っ平ら過ぎてかえって辛い。

「弓の達人「養由基」、ある時サルに矢を放つ。矢は真っ直ぐに樹をめぐる。」

養由基というのは、今から二千六百年ぐらい昔、楚の時代に活躍した弓の達人です。

当時、楚の国王であった荘王が狩りをした時、樹の上に一匹の白猿がいるのが見えました。

直ちに部下たちに命じて矢を射させたのですが、白猿はニヤニヤ笑いながら飛んでくる矢を片っ端から手でつかんで防いでしまい、一本も当たらないではありませんか!

困った荘王が部下たちに問うと、みな口を揃えて「由基に射させましょう!」と言いました。

養由基が進み出て弓に矢をつがえたのを見た白猿は、樹の幹に抱きついて悲鳴をあげました。

そして樹の後ろに回り込んで隠れたのですが、由基の射た矢は樹の幹を回り込んで白猿を射殺したということです。

―――――つづく

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