粟ひと粒 1/4話(出典:碧巌録第五則「雪峰尽大地」)

真実の教えを正しく後世に伝えるためには、まばたきひとつせずに人を殺すほどの手並みが必要です。

別の言い方をするならば、「相手が動けば一瞬たりとも遅れずに反応し、収束と同時に拡散し、現象と理論がぴたりと一致し、幼いこどもでも理解できるやり方で究極のところを悟らせるような手並み」とでもなりましょうか。

それは必ずしも優しくないこともあります。甘やかすばかりでは為にならないですから。

昨日の過ちを今日また繰り返すことだけは避けてもらわねばなりません。

とは言っても、最初からあまりズバリとやったのでは、初心者を混乱させることにもなりかねませんので、なかなか難しいところなのですが・・・

さて、ある時、雪峰和尚は大勢の弟子たちに向かってこう言いました。

雪:「この世界をつまみ上げてみたら、なんと粟ひと粒の大きさしかなかったのだ!! ・・・と言ってはみたが、どうやら誰ひとりとしてピンときていないようだな。そら、オマエたち! ベストを尽くせ!!」

この話を聞いていた弟子のヤング長慶和尚とヤング雲門和尚の会話は以下の通り。

長:「師匠はあんなことを仰っているが、何かもうひとつ突き抜けられていないように思わないかい?」
雲:「だよね。」

長:「どんな風にだろう?」
雲:「人をたぶらかそうとしてもダメってことかな。」

それを聞いた雪峰和尚は、杖を振りかざして言いました。

雪:「コラッ! 勝手なことをぬかすと許さんぞ!! オマエらにワシの何がわかる!!」

さらにそれを聞いた大潙和尚も、杖を振りかざして言いました。

大:「ヨッシャ! そういうことであれば、敢えてワシは土に泥を塗るようなことを言ってやろうじゃないか。 おいオマエら! 雪峰和尚が目の前でウ〇コしたというのに、なんで臭いに気づかないんじゃ!!」

―――――つづく

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