金牛和尚、おおいに笑う 2/2話(出典:碧巌録第七十四則「金牛和尚呵呵笑」)

雪竇和尚は金牛和尚に対して「なんか悪意を感じるよなぁ」とコメントされましたが、これもまた誤解されやすい発言です。

どんな素晴らしいご馳走も、体質に合わない人にとっては毒となります。

金牛和尚はよかれと思って全力でヨゴレ役をしてくれているというのに「悪意」呼ばわりするとは何ごとでしょうか!?

さて、賢明なる読者の皆さん、実はここが頭の働かせどころなのです。

なぜ金牛和尚や雪竇和尚があんなことを言ったりやったりするのか、ということを深く考えなければいけません。

「いや、つまるところ「心」も「仏」も言葉だけのことだから、あれやらこれやらも結局ただの思わせぶりなんでしょ?」などと理解されてしまっては、あまりにも金牛和尚がかわいそうです。

物ごとの上っ面だけ見てペラペラと知った風なことを言うばかりでは、いつまでたっても先に進めないということを肝に銘じなければなりません。

長慶和尚は金牛和尚の行動の意味を尋ねられて、「食べろと言われる前に「ありがとうございます!」と言うようなもんかな。」と答えたとのことですが、いったい何が「ありがとう」なのでしょうか?

雪竇和尚はこのエピソードに対して、次のようなポエムを詠みました。

光る雲の後ろでカラカラと笑うのはいったい誰?
ご丁寧にも両手で抱えてプレゼント。
一万キロの彼方からそれを見抜くのは、ただ金色のライオンだけでしょう。

長慶和尚は「食べろ」と解釈し、雪竇和尚は「両手で抱えてプレゼント」と仰る。

してみると、やはり金牛和尚は単に弟子たちに飯を食べさせたいだけなのでしょうか?
それとも他に何か含むところがあるのでしょうか?

もしこのポイントをズバリと見抜くことができたなら、貴方はまさに「金色のライオン」です。

金色のライオンは、人が用意した飯桶からコメを食べたりなんかしません。
ただ、一万キロの彼方からそれを察知して、フッと鼻で笑うのみです。

読者の皆さんがそのレベルに達していないというのであれば、せめて「いちいち鏡に映さないと理解できない」というレベルからは早めに卒業なさることをオススメして、このエピソードを締めくくらせてくださいませ。

<金牛和尚、おおいに笑う 完>

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