法眼和尚の答え 2/5話(出典:碧巌録第七則「法眼答慧超」)

また、今どきのある人は「これって、牛にまたがって牛を探しに行くようなもんだよね。」と言ってみたり、「これは「なかなかいい質問だね!」って褒めてるんだよね?」などと言ってみたり・・・

ハッキリ申し上げますが、この話はそんなものとはまるで関係ありません。
そういった考え方をすることは、歴代の師匠たちに対してはもちろん、自分に対しても極めて失礼なことだということに気づいていただきたいところです。

法眼和尚の弟子のひとりである玄則和尚は、かつて師匠の授業に出席しながらも一度も法眼和尚の部屋に問答に行きませんでした。

ある日、法眼和尚が玄則和尚をつかまえて言いました。

法:「おいオマエ、なぜ問答しにこないのだ?」
玄:「いやぁ、私は既に青峰和尚のところで悟りにつながるヒントを得ていますので、その必要はないのですよ。」

法:「ほう、どんなヒントを得たのか聞かせてもらえるかな?」
玄:「私が「「仏」とはいったい何なのでしょうか?」と尋ねたところ、青峰和尚は「丙丁童子が火を求めに来たな!」とおっしゃったのです!」

法:「・・・いい話だが、恐らくオマエはカンチガイしているな。それをどういう風に受け取ったのだ?」
玄:「丙丁童子は火の精霊です。自分自身が火であることに気づかずに火を求めに来た。つまり、私はもう「仏」であるというのに気づかずに質問しに来たか、という意味ではないかと。」

法:「それみろ! やっぱりカンチガイしておる。(笑)」

それを聞いた玄則和尚は激怒して、法眼和尚のところを出て行ってしまいました。

彼が出ていくのを見た法眼和尚は、「ふむ、ヤツがもし戻ってくれば救ってやれるが、戻ってこなければそれまでだな。」と言ったとか。

一方、怒りに任せて飛び出した玄則和尚は道中で短気な自分を反省していました。

玄:「なんて失礼なヤツだと思って飛び出してきてしまったが、法眼和尚は500人以上の弟子を持つ大師匠だ。ひょっとしたら単にオレをからかっただけじゃないのかも・・・」

玄則和尚が戻ってきたのを見た法眼和尚は声を掛けました。

法:「謝らなくていい。オマエが本当に知りたかったことを質問してみろ!」
玄:「「仏」とはいったい何なのでしょうか?」

法:「丙丁童子が火を求めに来たな!」

これを聞いた玄則和尚は、その場で大悟したとのことです。

―――――つづく

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