究極の道は難しくない 1/5話(出典:碧巌録第二則「趙州至道無難」)

土砂降りの雨のように棒が降り注ぎ、雷鳴のように喝がとどろきわたったからといって、誰しもが直ちに悟れるわけではありません。

天が落ちて地が崩れ、太陽や月や星が一斉に光を失ってしまった・・・
そんな時、仏法はいったい何の役に立つというのでしょうか?

現在・過去・未来における全ての仏たちは当然その答えを知っていますが、それを説明することが極めて困難であることも、またよくご存知です。

歴代の師匠たちが生涯をかけて取り組んでも、弟子たちにちょっとだけそのヒントを示せたかどうかといったところ。

どれだけ膨大な経典を書き綴ったところで、結局文字では説明しきれません。

当意即妙の名僧たちも、結局自分自身を救えなかったりして。

そんな状況の中、いったい誰に、どうやって教えを乞うたらよいものやら・・・

「仏」などと口にしたが最後、話は全く前に進まなくなりますし、「禅」などと言おうものなら、お笑い的な意味で「大ケガ」間違いなし。

ベテランの修行者はそれがわかっていますので、決して誰かが説明してくれるのを待ったりしません。

初心の人は、その辺のことをよくよく念頭に置くようにしてくださいませ。

さて、以下は趙州(じょうしゅう)和尚と弟子の僧との会話です。

州:「究極の道は決して難しいものではない。ただ、つまらぬ「こだわり」さえ持たなければよいのだ。などと言葉で説明しようとすると明らかに「こだわり」が出てしまうな・・・
いや、「明らか」というのも違うな・・・」

僧:「・・・和尚、あなたはいったい何を仰りたいのですか?」
州:「いや、それはワシも知らん。」

僧:「知らないならなぜ「明らかというのも違う」などと仰るのですか?」
州:「それはいい質問だ! お辞儀したら帰りなさい。」

―――――つづく

☆     ☆     ☆     ☆

電子書籍化 第2弾!『超訳文庫 無門関 Kindle版』(定価280円)が発売されました。公案集の代名詞ともいうべき名作を超読みやすい現代語訳で。専用端末の他、スマホやパソコンでもお読みいただけます。

超訳文庫 無門関 ぶんのすけ

【amazonで見る】

第1弾の『超訳文庫アングリマーラ Kindle版』(定価250円)も好評発売中です。<アングリマーラ第1話へ>

「超訳文庫アングリマーラ」ぶんのすけ

【amazonで見る】