コールする沖縄

「私たちに 静かな沖縄を返してください。
軍隊のない、悲劇のない、平和な島を返してください。」
1995年10月に開かれた「米兵少女暴行事件に抗議する沖縄県民総決起大会」で、中村清子さん(当時高校3年生)はこう訴えた。前月の9月に起きた事件に抗議し、8万5000人が宜野湾市の会場に集まった。

「安倍晋三さん、本土にお住まいの皆さん、加害者はあなたたちです。しっかり沖縄に向き合ってください。」
今月19日に開かれた「沖縄女性殺害事件に抗議する県民大会」で、玉城愛さん(名桜大学4年生/オール沖縄会議共同代表)は、このように声をあげた。6万5000人が那覇市の公園に集い、首相、国、本土に住む国民に抗議した。

1945年に地上戦に巻き込まれ、1972年まで米国(米軍)の占領下にあった沖縄。その間に、嘉手納基地や普天間基地などの広大な軍事施設が次々と建設された。米兵による暴行・傷害事件も多発。復帰のあともその状況は変わっていない。

1995年の米兵少女暴行事件と、それに抗議する沖縄の声は、本土メディアでもニュースにはなった。多少の地位協定見直しと、普天間基地返還(辺野古移設案)の話は進んだ。しかし、繰り返すまでもなく状況は何も変わっていない。

19日の集会では、沖縄から「本土にお住まいの皆さん」とコールがあった。このコールは重い。それにレスポンスする「皆さん」の心が問われるからだ。もちろん、これを書いている僕自身もレスポンスを求められている。

毎年6月23日は、沖縄「慰霊の日」。僕は毎年この時期に沖縄本島を訪れ、各慰霊塔で行われる慰霊祭に参加する。今年の「慰霊の日」は、加害者としての自身をあらためて振り返る時間となった。コール&レスポンスは、世界のしくみだと考えている自分としても、いっそうのレスポンスをと思っている。

コール&レスポンス