番外編6「子供の心を忘れない」

「育児の息抜き推進要請」として育児にまつわるおもしろ経験談を募集中ですが、先週よりもたくさんのメッセージをいただくことが出来ました。ありがとうございます。なにしろ自分の書く文字の量が格段に少なくなるのでとても助かっています。(正直)

全文を載せるとかなりのボリュームになってしまうのである程度要約させていただきますが、何卒ご容赦ください。今週寄せられたお便りをいくつかご紹介します。


最近笑ったことですが、5歳の娘はおっぱいが気になって仕方ない今日この頃。お風呂で自分の胸とお母さんの胸を見比べて「娘ちゃんの小さいから子供役。名前はみみちゃんね。おかあさんのはお父さん役とお母さん役ね」と右乳・左乳に配役されました。そのごっこ遊びは、難易度高いです・・・。斬新。
(東京都・40代 主婦)


斬新過ぎます。おっぱいの左右別々に配役をし、そして子供役に「みみちゃん」という名前までつけるなんて、素晴らしい想像力です。自分がやったらきっとぶっとばされるでしょう(当たり前です)。
将来は劇作家か演出家か、もしかすると絵本作家かもしれませんね。
みみちゃんとお父さん、お母さんがどんな楽しいお話をしているのかとても気になります。


(1~3歳)・洗面台に手洗い時に使用する踏み台があり、目を離した隙に踏み台を上って洗面台のシンクにすっぽり入りシャワーを浴びていた

(小学校)・運動靴は中敷きの下まで砂まみれ、ポケットにはどんぐり、砂、牛乳瓶の蓋、粘土、(以下省略)…
・ お道具箱はゴミ箱状態。奥底に理科で育てたミニトマトが干からびてドライトマト状態で入っている(←今ここ)


洗面台のシンクでシャワー、最高です。小さな子供のみが実現できるミニチュアシャワールームですね。ちょっと憧れますが、自分がやったら昭和の青春映画みたいなことになるでしょう。(全然青春じゃないけど)

ちなみに自分のコートのポケットからはどんぐりや松ぼっくり、葉っぱ、食べかけのたまごボーロ、子供用のガーゼタオルやウェットティッシュ、脱ぎ捨てた子供の靴下などがたまに入ったままになっていることがあり、仕事の打ち合わせの席などでうっかり出てきてしまった時にどんな言い訳をしたら良いのかわからないことがあります。


子どもの発語に関する事です。
当時、3歳を直前に控えた息子は耳にしたものをすぐ発することに得意気になってました。そんな我が子が昨年末の大晦日にあの番組を見てしまったのです。
「まちゅてー、えんどー、ほーせー、たなかー、アウトー…イダッ、イダダダダ」
その日一回しか見てないはずなのに、それから唐突に1人ガキ使を始めるのです。そして周りから向けられた視線に得意気になる我が子。
回数は減ったものの、親としてはこの外出自粛中に忘れてほしいです。


率直に申し上げますと、しばらくは忘れないと思います。
だっておもしろいから。子供はなんだか、こういうギリギリのラインのおもしろさにとても敏感な気がします。
大好きだった志村けんさんの数々の名コントにも、子供が真似したくなるものが沢山ありました。

よく「子供心を忘れない」と言いますが、実はそれは大人にしか出来ないことです。
大人が常識ギリギリのラインを攻め込んでいく。そこに自分はロックンロールを感じます。
是非一緒に「お父さん、アウトー!」と言って思い切りケツバットをしてみてはいかがでしょうか。きっと楽しいですよ(お父さんじゃなくてもいいけど)。


朝起きたら隣の息子(当時2、3歳)が裸ん坊ということが2回ほどありました。寝ている間にどうやって上下のパジャマを脱いだんだろうと未だに謎です。
朝起きたら息子がいない!と焦って探したところ、ベッドの下からわずかに出ている足…ベッドの下に体のほとんどが入った状態で寝ていました。両足を持ってズルズルと引っ張りだしたのは何回あるか知れません。
今や子供は2人とも小学生ですが、それでも寝顔は今もかわいいです。


わかります。とてもよくわかります。一体どうしてそんな状態になるのでしょうか。それにしてもすっかり裸、しかもベッドの下というのはなかなかの強者です。もはや妖怪「パジャマ剥がし」の仕業としか思えません。

自分がこのところで一番おもしろかったのは、朝息苦しくて目が覚めたら子供の両足に首をしっかり固められていて、何かのプロレス技かと思いました。まさに「スリーパー・ホールド」です(すでに寝てるけど)。普通の体勢で眠っていたはずなのに、どうしてこんなことになるのか謎です。
ある日は完全に布団を剥がしてベッドの反対側を向いて手を伸ばし、何かに平謝りをしていることがありましたが、これはヨガでいう「チャイルドポーズ」という姿勢らしいです。ヨガが先なのか子供が先なのかはわかりませんが、体には良さそうなのでそのままにしておきます。

最近は一度寝かしつけてからしばらくベッドを離れた後に、今どんな体勢になっているのかを予測するのが楽しみにさえなっています。縦、横、斜め、まさに縦横無尽とはこのことです。新しい寝技を覚えた際にはまた報告しようと思います。


小3のお姉ちゃんに「宿題を毎日ちゃんとしようね」と、思いつく言葉を並べて話していたら娘に「個性ってどういうこと?」と聞かれました。

「個性というのはね、○○ちゃんは絵を描くのが好きで妹がいてピーマンが好きでしょ。パパはお仕事をしていて男の人で、、、○○ちゃんのことが大好きでしょ。それぞれのことよ。」

まだ始まっていない学校での学習を知るために教科書を開くと辞書の引き方を説明する内容があったので、今度辞書を買おうとそれを見たときに思ったのですが、しばらくやめておこうと思います。辞書を買ったら辞書を引きなさいといいかねない自分。今は自分の言葉で説明したいと思います。
一緒にいる人と穏やかな時間を過ごす努力をすると自分だけの時間がなくても息抜きになるのかな?と思いました。


「個性ってどういうこと?」実に鋭い質問です。なんとなくわかっているつもりでも、じっくりその言葉の意味と向き合うことはなかなかないですよね。
「わからないことはwebで検索しろ」というのが今の時代の正解なのかもしれません。でも、自分にはちょっと違和感があります。
本当の個性というのは、たくさんある情報の中からその人が何を選択し、どう解釈して表現するのか、ということではないかと自分は思っています。

本当に大切なことは、辞書には書いてありません。そのことを教えてあげられるのが大人なのかもしれません。将来「父さん、個性ってなに?」と聞かれた時にどう答えるか、自分もちょっと考えてみようと思います。

正直に言うと、この連載は今月26日に予定していた「ホテル暴風雨展」での風木一人さんとのコラボレーションイベントの企画に合わせて始めたもので、当初は今月いっぱいで終了する予定でした。
でも、新型コロナウィルスの影響でイベントも延期になってしまった今、自分に出来ることのひとつとしてしばらく継続することにしました。
外出もままならない状況の中、がんばっている育児中のみなさんのささやかな息抜きの場にしてもらえたら幸いです。どんなことでもよいので、引き続き気晴らしのお便りをお待ちしております。

(by 黒沢秀樹)

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