番外編7「絶賛募集中!育児おもしろ体験談」

日々子育てに奮闘しているみなさん、本当におつかれさまです。
39県で緊急事態宣言が解除され、事態は徐々に収束へ向かっていると信じたいです。
しかし育児はそもそも毎日が緊急事態、まだまだ気を抜けない日々が続くことが予想されますが、みなさんと一緒に乗り越えていけたらと思っています。
そんなわけで、育児にまつわるおもしろ体験談を募集中ですが、今週は番外編の続編として、いただいたメッセージを紹介しつつ書こうと思います。


外食に行っても、子供用メニューにあまり興味を示さず、大人が食べていたお蕎麦の薬味のネギを食べて、「それで足りるの?」と周りにビックリされたことも。
保育園でも少食と食べるのが遅いことで、何度も園長の指導を受けました。
しかし、そんな娘も今は大学生。お寿司大好き、ポテトチップスの袋をあっという間に空にしてしまう身長159cm、体重50kgの女の子になりました。
このまま栄養が足りなくてちゃんと育たなかったらどうしようとあんなに頭を抱えていた乳幼児期が嘘のようです。
タイムマシンがあったら、あの時代の私に会いに行って、「今はネギしか食べなくてもちゃんと育つから。高校は一回も休まず通った健康優良児になるから、安心していいよ」と肩を叩いてあげたいです。


素敵なお話です。ネギしか食べないなんて、なんて経済的なお子さんなのでしょうか(そこじゃない)。
前回のノートで書いたように、離乳食については自分も想像が国境を越えるほど頭を悩ませたことがありますが、こういう話が聞けると少し気持ちが楽になります。
「薬味だけでも子は育つ」という諺にしたい気持ちでいっぱいです。


子どもが3歳になる少し前のころ、ミニカーでよく遊んでいました。
息子はパトカー、救急車などのサイレンをなぜか外してしまうもので、壊したらダメ!と叱っておりました。
ある日のこと、またサイレンを外したので、同じように叱っていたところを丁度夫が見ており、私に言いました。
彼はこれがかっこいいと思って外しているかも知れないよね?
頭をガツーンと殴られたような衝撃でした。
子どものやることは全て、その子にとってのナイスアイディア!なのかも知れないと思う様になったら、なんだかやる事なす事愛おしく感じたものです。
今も、次男にアクリル絵の具で家の柱にイタズラ描き(いえ、作品です)をされていたのを発見。母、若干イライラしていますが…


わかります。なぜ子供はあらゆるものを破壊しようとするんでしょうか。
しかし、パトカーや救急車のサイレンを取った状態には、確かにちょっと不思議な魅力があるような気もします。
なんというか、サイレンを外したパトカーや救急車からは、本来持っていた自動車としてのアイデンティティが垣間見えるのかもしれません(たぶん違う)。
救急車という圧倒的な役割を持った存在である前に、一台のハイエースである、ということを感じているのだとしたら、息子さんはきっと素晴らしい感性の持ち主だと思います。
どんなスーパースターでも、それ以前にひとりの人間である、という部分が垣間見えると、一層その人のファンになってしまうのと同じような気もします。

ちなみに自分の息子は引き出しからオムツ、おしりふきや体温計など全てのものを取り出して「ぽいっ!!」と言いながら部屋中に投げはじめたことがありました。
いつもなら「ぽいしないで」とその都度拾って入れ直していましたが、ふとこのまま放置したらどこまでやるのだろうかと思いしばし見守っていると、どうやらソファーに向かって投げているようで、うまく乗るとちょっと満足気な顔をしています。
そして、すべて投げ終わった後にした行動が驚きでした。なんと、片付け始めたのです。
もちろん自分も手伝いましたが、散乱したオムツを自分で拾い集め、同じ引き出しのなかに「ぽいっ」と入れて几帳面にしっかり引き出しを閉めました。これは「散らかし&お片づけプレイ」だったらしいのです。
今までせっかくのプレイを中断され、さぞ腹が立ったことでしょう。でも大切なCDやDVDのケースから巧妙にジャケットやブックレットまで引っ張り出されるといろいろ大変なので、「ぽいっ!」されたら困るものはなるべく手の届かないところに置くことにしています。


2~3才の頃、お風呂に入っているとおもちゃのコップでお腹のあたりにお湯をかけながら「おへそのなかにおゆがはいらないよー!」と必死にへその中にお湯をためようとしていました。

3~4才の頃、耳鼻科に行き、先生に鼻の中に器具を突っ込まれ大泣き。いつもの小児科の先生とどっちがいい?と面白半分?にきくと「どっちもイヤ!!」と言うので「なんで?」ときくと「どっちもかわいくないから。」と答えました。確かに…

ブックオフの看板を見て、「なにやさん?」ときくので「古本屋やで」と答えると「フルーツのほんがうってるのか~」と納得していました。


参りました。「どっちもかわいくないから」最強です。最強のキラーフレーズです。ぐうの音も出ません。
医療器具にさえかわいさを求めるお子さんの美意識はかなりのものだと想像できます。
古本をフルーツの本と解釈するというのも素敵です。どんな言葉もポジティブに変換できるのは素晴らしい才能です。
きっと育てている方が、そういうおおらかな気持ちを持っているのがお子さんにも伝わっているのだと思います。

このメッセージを読んで、ずいぶん昔の話ですがお世話になっていたプロデューサーのお子さんのおもしろ体験談を思い出しました。

学校で出されたテストに「ゴムを伸ばして、離すとどうなるか」という問題があったそうです。
正解は「縮む」とか「元に戻る」のようなものだったのでしょうが、その子が書いた答えは「痛い」でした。おもしろすぎて爆笑でした。
バツにされたそうですが、自分は間違いではないと思います。
「木の葉が枯れて落ちると、その後どうなるか」という問題には「カサカサする」と答え、それも不正解になったらしいです。期待されていた答えは「また新しい芽が出る」のようなものだったのでしょうが、これも正解だと思います。

想像の斜め上あたりから繰り出される、ユーモアに満ちた正解を叩き出すこのお子さんはすごいと思いました。

自分の父は小学校の先生をしていたので、子どもの頃テストの採点の手伝いをしたことがありました。(本当は子供にそんなことさせちゃダメでしょうけど)いろいろな答えがあって、これは丸バツどっちなの?と聞いたことが何度かあった気がします。
算数のように明確に数字で割り切れるものは、誰にとっても明確なものさしになり得るわけで、そのことに意味があると言えますが、世の中には割り切れないものもたくさんあります。

例えば音楽もそうでしょう。誰かにとっては人生が変わる程に素晴らしく感じる曲でも、誰かにとってはただの雑音だったりします。正解はひとつではないのです。

子供の発想はすっかり凝り固まってしまった自分の頭の中に、もう一度柔軟な発想を与えてくれます。たまに柔軟すぎてなんだかわからないことも多々ありますが、それも含めて楽しんでいけたらと思っています。
みなさんからの子育ておもしろ体験談、引き続き募集しますので、何卒よろしくお願いします。こちらまで!

(by 黒沢秀樹)