猫は慢性腎臓病による高血圧で失明に至ることもある

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ムギの目が突然見えなくなった

先日の夜、ムギの様子が急におかしくなった。そわそわ歩いては壁やテーブルの脚にぶつかるのだ。明らかに目が見えていない。ムギもあわてているのか、ふだんはたいてい寝ているのに、ぶつかってもぶつかっても歩きまわるのをやめない。
とりあえず先回りして障害物の前で止めるようにした。床の上の片づけられるものは片づけた。玄関から土間に落ちないようにバリケード封鎖した。

ミラタズ軟膏を使い始めて2日目だったのでまずはネットでこれを調べた。ミラタズ軟膏の情報は日本語ではまだわずかしかないが、その中に視力に影響したというケースは見つからなかった。
ミラタズの有効成分であるミルタザピンと、ミルタザピンの入ったもう一つの薬レメロンについても検索したが、やはり視力の障害と結びつく情報は見当たらなかった。
つぎに慢性腎臓病と失明で調べると今度は多くのページがヒットした。慢性腎臓病が進むと高血圧になり、高血圧が原因で網膜が損傷されることがあるらしい。
ムギの目をのぞき込むと瞳孔が開いてしまっている。夜とはいえ明るい電灯の下で虹彩(瞳孔のまわりの部分)がまったく見えないのは異常だろう。

午前3時過ぎにようやくムギが寝てくれたのでぼくらも寝た。

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検査の結果は高血圧による網膜損傷

翌朝急いで動物病院に行った。先生はまず部屋を暗くして瞳孔反射の検査をした。反応なし。
つぎに眼圧を計った。これは異常なしで、緑内障の可能性は排除できた。
つぎに血圧測定。猫はおとなしくしていないので血圧を正確に測るのは困難だ。何度も計り、比較的マトモに計れていると思われる数字をピックアップする。予想通り高血圧だった。

以上の結果から腎臓病からくる高血圧による網膜の損傷だろうと診断された。腎臓病に対する治療はすでにしているので血圧を下げる薬アムロジピンを1日1回飲むことになった。
先生からは「視覚は戻らないかもしれない。でも高血圧を放置すると他の臓器にもいろいろ障害が出るから」と言われた。

ムギの目が見えないままだったらそれに合わせた生活を考えなければいけない。トイレやごはんの場所をわかりやすくするにはどうすればいいのか? 安全のためには部屋のドアを閉めるなどで行動範囲を限定した方がいいか? 人間が二人とも出かけることは当分避けなければいけないだろうか?
そんなことをぐるぐる考えながらその日のアムロジピンを飲ませた。アムロジピンは苦い薬ではなく粉末にしてちゅーるに混ぜたらムギは問題なく食べた。

ふりかえると、その夜からもう前夜のようではなかった。せかせか歩いてごつごつぶつかることはなかった。見えないのに慣れて慎重に歩くようになったのか、少し見えるようになったのか、その時点ではわからなかった。
しかし数日中にははっきりした。明るいときには虹彩が見えるようになった。瞳孔反射が戻ってきている。椅子の脚とテーブルの脚も的確によける。以前同様に歩けるようになったのだ。
たぶん網膜の損傷は比較的軽く、血圧が下がることである程度修復されたのだろう。
本当にほっとした。ぼくにムギが見えてもムギにぼくが見えていないと想像するのはつらかった。

たしか前の血圧検査は半年以上前だった。そのときは薬を飲むほどの高血圧はなかった。しかし慢性腎臓病の末期に視覚障害が起こることはよくあるらしいから、血圧検査をもっと早くするべきだったのかもしれない。そしてアムロジピンを飲んでいれば今回のことは防げた可能性もある。
まあどんな薬もいいことばかりではないから他の問題が生じた可能性もあるけれど。

話は変わるがひとつふしぎなことがある。
ムギはあまりにも食べなくなって食欲増進剤のレメロン、つづいてミラタズを使うようになった。それで少し食欲回復したのだが、それでも以前よりは食べない。以前の量を5とするとだいたい3くらいだ。それなのに体重が減らないのである。
長く守ってきた2.3キロを一度は割って2.1キロになったが、いまはまた2.3キロに戻っている。6割しか食べないのに痩せないのはどういうわけだろう。運動量もとても少ないからだろうか。それにしても基礎代謝がある。哺乳類は息をしているだけでもけっこうなカロリーを消費するはずだ。
夜中に冷蔵庫を開けて何か食べているのだろうか?(笑)
ムギ、もしそうなら好きなものを好きなだけ食べたらいいよ。

(by 風木一人)

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