絵本の完成を待っていてくれたカフェ。『いっしょにするよ』(風木一人・作 たかしまてつを・絵 角川書店)

絵本を作るとき、絵描きさんと会う場合と会わない場合がある。会わないで作れるの!?と驚かれるかもしれないが、担当編集者が双方と会いきちんと取り次いでくれれば直接会わずに作ることは可能だし、ぼくもそういう経験は何度もある。

「とりがいるよシリーズ」の場合は、会った。それもずいぶん多かった。たかしまてつをさん、担当のSさん、ぼく、3人とも直接会ってその場でああでもないこうでもないやるのが好きなタイプだったからだろう。
打合せはいつも新宿のとあるカフェで行なわれた。テーブルが広く、駅近なわりに空いているのが好都合だった。『とりがいるよ』『たまごがあるよ』『いっしょにするよ』と3冊作っているあいだに何度お世話になったかわからないくらいだ。
ところが『いっしょにするよ』の最後の打合せはここでできなかった。その日打合せする気満々で向かったぼくらは、見慣れぬ白い壁と「長年ご愛顧ありがとうございました云々」の張り紙を見つけたのだ。
3部作がほぼ出来上がるのを待っていてくれたような閉店だった。
というわけでぼくの中では「とりがいるよシリーズ」は、今はもうないあのカフェと分かちがたく結びついている。「とりがいるよシリーズ」を読んでくれる人は多いし、あのカフェに通っていた人も多いだろうが、その二つを結びつけて思い出す人はたぶんこの世に3人しかいない。

絵本「いっしょにするよ」風木一人・たかしまてつを・角川書店

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『いっしょにするよ』は「とりがいるよシリーズ」の3作目で、シリーズ全体がどう作られたかは以前に書いた。<1冊の絵本企画からプロジェクトへ>
2作目の『たまごがあるよ』を作っている最中から「3作目をどうしよう?」ということは考え始めていた。
3作目のテーマが「いっしょにする楽しさ」になったのは、あのカフェでアイデアを出し合い、ときにはぶつかりときには脱線しながら絵本を形にしていくのが、なんともいえず楽しかったからに違いない。

1作目の「いる」と2作目の「ある」は、英語で言えば be にあたる特別な動詞で、このあとに並みの動詞では役者不足感があった。
そこで「する」、英語なら do にあたるやはり特別な動詞を持ってきた。
とりたちが「いっしょに」いろんなことを「する」絵本にしよう、と。

シンプルに行きたい。絵本を作るときいつもそう思っている。赤ちゃん向けではとくにそうだ。だからこういう話になった。
「たっぷり遊んで、おいしく食べて、すっきりうんちして、ぐっすり眠る」
それだけ。それだけで大事なことはぜんぶ入っている。

読者からは必ずのように「擬音語が楽しい!」の感想をいただく。擬音語の魅力については「3分で読める知育マガジンChiik!」のインタビューでお話しした。このインタビューではぼく自身が気づいていなかった『いっしょにするよ』の一面にも触れられる。

『とりがいるよ』『たまごがあるよ』と同じ北京天略図書有限公司から中国版 刊行予定。

プレゼント用には「ギフトセット」もあります。オリジナルのかわいい箱に『とりがいるよ』『たまごがあるよ』『いっしょにするよ』の3冊が入っています。

「とりがいるよギフトセット」風木一人・たかしまてつを・角川書店

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