アキ―ルさんインタビュー、3回シリーズの最終回です。
一部の過激派のため、日本ではイスラム教に対して偏ったイメージが流布してしまっているような気がします。
アキ―ルさんの言葉からイスラム教の別の側面を感じていただければ幸いです。
Q,(自国で、あるいは世界で)自分が生きていくためには、どんなことが必要だと思いますか?
学歴があり、ビジネスの才覚があれば他国でも生活はできるかもしれません。
しかし、自分の母国がよい状況で人々が幸せでなければ、決して人は幸せになれません。
従って、母国の発展という点が非常に大切だと思います。
たとえば、ロンドンには多くのイラク人がいます。彼らはロンドンで成功し、いい暮らしをしています。しかし、彼らは常に母国を憂い、母国が恋しいと言っています。なぜなら彼らはイラクの情勢から戻りたくても戻れないわけです。
残念ながらイラクという国がよくならない限り、彼らが幸せになることはないと思います。
Q,イスラム教についてのイメージをどう考えますか?
非常にステレオタイプのイメージが付きまとっています。それはやはり、様々なテロリストがいるからだと思いますが…。
イスラム教はそもそも平和のためにできた宗教ですし、コーランでもイスラム教徒になることを強要してはいけないとなっているのです。本来、イスラム教徒はモラルを重んじ、他の人々や文化を尊重しあう人々なのです。またイスラム教の教えでは、たとえイスラム教徒でなくても、よい行いをしていたら神は人々を天国に導くと考えています。
テロリストはイスラム教徒以外を殺しているなどという話もありますが、残念ながらイスラム教徒の国であるクウェートもテロの攻撃を受けたりします。単純に彼らがクレージーなんだと思います。
Q,日本について、どんなイメージがありますか?
日本はすごく発展している国で、かつよく働くイメージがあります。
頭がよく、エンジニアリングの分野で強みのある国というイメージもありますね。
これは冗談ですが、日本人はサッカーでボールを蹴る際に、(体力的なことではなく)蹴りだす角度や風向きを頭の中で計算しているに違いない、とクウェート人は言っていますよ(苦笑)。
また、互いを尊敬している文化を持っている国だとも聞いています。
ただ、あくまでテレビなどから見聞きするイメージなので、これらが真実かはわかりません。たとえば最近、日本の会社が(クウェート人からすれば)些細な理由で、謝罪を強いられたというニュースにはショックを受けましたね。
Q,最後に、是非日本人がクウェートを訪れたくなるようなPRをお願いします!
クウェートは、中東の中でも食文化で有名な国です。それもアラブ料理だけではなく、マルチカルチャーです。中東料理も含め、食事を楽しみたいのならクウェートはお勧めです。
すごく暑い国ですので、砂漠やラクダに触れるようなアウトドアのアクティビティーは、特に1月から5月くらいまでが一番いいシーズンだと思いますし、他のアラブ諸国やヨーロッパの人々はこの時期によく遊びに来ます。
夏場は温度は50度を超えますが、もし高温に興味があればその時期に訪れるのもありかもしれませんね(苦笑)。
アキールさん、ありがとうございました!