海外のビジネスの様子、INTA@バルセロナに参加して(その2)

前回に続き、スペインのバルセロナで行われたINTA(International Trademark Association)のレポートです。

INTAに参加している多くの代理人は、自国での権利取得の際に自分の事務所を使ってもらうための活動=自分の事務所の営業のために参加しています。
従って、様々な資料を用意して自社の紹介に心を砕き、お土産も用意しています。大事なお客様用として、結構な額になるであろうものを用意している事務所もありました。

INTA ミーティングブース

INTA ミーティングブースの様子

展示会のようなスペースもあるため、そこにブースを出している事務所も多数あります。隅っこの小さなブースでも一日50~100万円程度とのことですので、期間全体となると結構な額です。現地のレストランなどを借り切り、パーティーを主催しているところもあります。参加者はフリーで飲食を楽しめますので、こちらも持ち出し額は大きなものになるでしょう。

INTA パーティー

INTA パーティーの様子

また、多くの事務所が仕事をとるためにマーケティング活動をしていることにも驚かされました。
私の事務所などでもそうですが、どうしても国内段階ですらなかなかマーケティングに力を入れられていないのに、まして海外となるととても手が回っていないのが現実です。
国内の業界の様相がどんどん厳しくなっていくなか、海外に活路を見出さなければならないのが多くの特許事務所が抱える状態かと思いますが、他国の代理人が当たり前にやっていることを、我々もしていかなければならないのだと痛感させられました。

一方、(大規模な事務所とは様相が異なるのでしょうが)、我々のような中小規模の事務所だと、まずは人付き合いが大切になるということを改めて思い知らされました。
これは国内での営業活動などとも通じるところだと思いますが、相手とまずは友達(知り合い)になり、気心が知れた後に仕事の話があれば、お願いするというようなイメージです。
そういう意味では、今日参加して明日仕事がもらえるといった短期的な利益にはならないでしょうが、友達の輪を大きくしていき、長い目で見て1社、2社と仕事を増やしていく必要があるのだと思います。そのためには、プロとしての知識・経験は勿論、いかに相手の興味を惹きつけられる人間であるかも大切です。

結局のところ、海外であれ国内であれ、仕事の量は友達や知り合いの輪の大きさにより、いかに刺激を与え合える人間になれるのかが大切なのだと思わされました。

今年、色々と教訓も得られましたし、準備不足を痛感させられたところも多々ありました。
来年はシアトルで開催されるとのことなので、今年の反省点と教訓を生かして参加してみたいと思っています。


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