世界の若者にインタビュー 重慶出身、成都育ちの中国人、キランズさん(後編)

ポーツマス大学でアートを学ぶキランズさんのインタビュー後編です。
前編はこちらへどうぞ。


キランズさん

キランズさん

Q,自国と比べてイギリスの良い面はどのようなところですか?

まず、こちらは空気が綺麗だということです。
残念ながら重慶は中国でも1,2を争う大気汚染が激しい町なので…。
中国だと数か月に一度体調を壊していましたが、こちらに来てからはそんなことは全然ないですね。

また、これは違いと言えるかはわかりませんが、イギリス人と中国人、もっと言うとどんな国の人であったとしても、思いや気持ちは同じだと思うのです。
ただ、表現方法が違います。
例えば、イギリス人は、すぐにありがとう、ごめんなさいを言いますよね。勿論、心の中では違うことを思っていたとしても、それを言えます。
中国人は、ともかくごめんなさいが言えない文化がありますよね。だからといって、中国人が心の中でごめんなさいと思っていないわけではないのです。

ただ、少なくともイギリス人のやり方の方が摩擦は少ないですよね、彼らはたとえ喧嘩腰になっても、全てをスラングにしたりはしません。たとえば「Shut up(黙れ)! Darling(ダーリン)」のように、何か他の言葉を付けたりしますね。

キランズさん作品2

キランズさん作品2

Q,逆に、イギリスに比べて自国の方がいいと思うところはなんでしょう?

ご飯が中国の方がおいしいですね。重慶や成都は四川料理の本場なので、多くのスパイスを使い、かつ調理法も豊富です。イギリスの料理はシンプルで多くの油も使わないので、ヘルシーかもしれませんが、味は間違いなく中国の方がおいしいですね。

Q,中国とは自身にとってどんな存在ですか?

とても大切な場所ですし、将来的には戻りたいとは思います。家族も中国にいますしね。
ただ、イギリスでもっと生活してみたいとも思います。やはり、他国で住むことは自身の経験を広げてくれます。

Q,中国で生き残っていくためにはどのような知識や能力が重要になると思いますか。

まず、イラストレーターとしての能力です。
その上で、自分自身をどう売り込むかが大切だと思います。
どれだけいい作品を描いていたとしても、知られていなければ意味がありませんから。
自分自身がどんな能力を持っていてどんな特徴があるのかを見つめ直し、それらを元にどうやって人々を魅了していくかがカギになると思います。

ちなみに中国では芸術やデザインにお金を払う文化がまだまだ無いので、イラストレーターは難しいですね。誰もが簡単に、ちょっとイラスト描いてよ、とか、ロゴを考えてよとか言ってくるんです。そんな人たちに、「予算はいくらくらい?」と聞くと、「いやいや、そんなお金がかかるほど複雑なものじゃなくていいんだよ、ちょっとしたデザインでいいから!」となるわけです。

その点、イギリスではちゃんとお金を払う文化があるので、やりやすいですね。勿論中国の状況も大きく変わってきています。多分、十年後、二十年後はデザインについてお金を払う文化が根付いていると思いたいですね。

Q,日本についてはどのようなイメージを持っていますか?

良いイメージですよ。子供の頃は日本のアニメを見て育ちました。ドラえもんにコナンにクレヨンしんちゃんに…(苦笑)
あと、私は源氏物語が大好きなんです。映画で見たんですが、全てがとても美しかったです。「さくらん」という映画もよかったですね。美しい着物についてはもっと知りたいと思います。あと、日本の入れ墨文化についてももっと知りたいですね。

日本食も大好きですよ。お寿司はよく中国で食べていました。日本食は中国では高級レストランというイメージがありますね。

Q,逆に悪いイメージはありますでしょうか?

中国と日本が歴史や政治の話でもめていることは知っていますが、あまり興味はないですね。あと、日本の労働環境は非常に厳しいという話はよく聞きますね。

Q,最後に中国のPRをお願いします!

成都は食事がおいしいところです。四川料理なのでとても辛いですが、辛い物が好きな人なら病み付きになると思います。また、成都はパンダでも有名です。世界中の動物園にいるパンダの多くは成都出身です。

また、成都の近くに、九寨溝というユネスコにも登録されている自然保護区があります。個人的には中国で一番きれいな場所だと思います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%9D%E5%AF%A8%E6%BA%9D

キランズさん、どうもありがとうございました!


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