表現形式としてのコールとレスポンス2

この前から、音楽の中でのコールとレスポンスの話をしています。今回もその続きを。

さて、ゴスペルを歌うキリスト教の教会などで、牧師が会衆を前にして「おおロード」と言い、それにフロアが「おおロード」と返すこと、また「主こそ救いだ!」―「そうだそうだ」という真摯で熱いやりとりも、コール&レスポンスです。ファンクの帝王・故ジェイムス・ブラウン(JB)は、教会でのやりとりを確信犯的にステージ化した天才として知られています。ステージでのJBのガウン姿は、牧師の衣装を想起させますね。

JB:ゲロッパッ
フロア:ゲロッパッ
JB:ゲロッパッ
フロア:ゲロッパッ

日本のCMでも流れた曲、Get Up (I Feel Like Being a) Sex Machine 1970での印象的なフレーズは、コールとレスポンスで繰り返されます。たたみかけるようにステージとフロアを一体化させるJB。まさに、会場全体が鳴る、響くという感じです。彼のステージは、ミュージシャンと観客がともに増幅させるコール&レスポンスの渦ですね。

でも、前回お話ししたように、目の前に具体的に相手が居なくても、コール&レスポンスは成り立ちます。また、心の中だけで、あるいはつま先の指の一本のみでビートを刻んで相手のコールに応えることも、立派なレスポンスだと僕は考えています。自分の中で何かが動く、何かに反応する自分を意識するということを、まずは大切にしたいもの。それが「世界はコールとレスポンスで出来ている」ということを知る近道です。

話は飛ぶようですが、座禅や瞑想をする中で起こる「自分の内側で何かが動く」という体験も、コールとレスポンスという視点から考えられそうです。最近日本で盛んなヨガ実践の中にも、「歌うヨガ」としてインドのマントラ(真言)をコールとレスポンスで唱えるものが出てきています。またまた世界が広がりますね。

コール&レスポンス!

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