電気売りのエレン 第24話 by クレーン謙
船室の窓から、月明かり射していて、外から、ザー、ザー、という音が聞こえた。 あの音が、海の音なのかしら? あたしは、独りきりになってしまったお母さんの事を思い出して、泣いていた。 すると、ガ...
船室の窓から、月明かり射していて、外から、ザー、ザー、という音が聞こえた。 あの音が、海の音なのかしら? あたしは、独りきりになってしまったお母さんの事を思い出して、泣いていた。 すると、ガ...
マーヤ達に捕まったあたしは、とどろき山を出て、何日も歩いた。 その間、マーヤはあたしには口も聞かずに、紙に妖精やドラゴンの絵を描いていた。 何日目かの夜、あたし達は海に着いた。そこには大きな大...
僕とフレムは港町へ帰ると、長老に人魚の女王の事を話した。 長老は始めは半信半疑に話を聞いていたけど、僕が腰に差していた光り輝くセラミックナイフを見て言った。 「『光の剣士』の話なら聞いた事があ...
人魚が本当にいる、という事に僕は驚いた。 しかも、その人魚は僕らに向かって話をしている! キラキラと光り輝く、世にも美しいその人魚は僕とフレムに向かって話を続けた。 「・・・・そう、この子た...
僕とフレムが漁師たちの集落に来てから、何日か経った。 そして、ようやく海で漁をする許可を長老からもらう事ができた。 その間、僕は海の事や電気クラゲの事をフレムから教わっていた。 電気クラゲは...
俺とヴァイーラ伯爵は、フリゲート艦から渡し船に乗り移り、そして荒波を乗り越え、その島の桟橋に降り立った。 殆ど植物すら生えない、岩と石ばかりの小さな島だったが、そこには驚くほど多くの人々が働いていた...
魔術を使い、俺は港町へと戻ってきた。 港町の広場に突然と俺が姿を現したので、広場にいた人々は驚き、手にした市場の商品を下に落としたりした。 女が俺を指差し叫んだ。 「見たかい!あれは魔術だよ!こ...
マーヤと怖そうな男達に囲まれながら、あたしはどんどんと村を離れていった。 ・・・・いったいどこへ連れていかれるんだろう? あたしはベソをかきながら、マーヤに聞いてみた。 「ねえ、あたしをどこに連...
あたしの名前はレーチェル。 とどろき山のふもとに、お母さんとお兄ちゃんと一緒に住んでる。 でも、お兄ちゃんのエレンは何日か前にいなくなっちゃった。 山で電気が獲れなくなったから、きっ...
僕とフレムが馬車を降りると、少し年をとった日焼けをした男がやってきて言った。 「フレム様、よく戻ってきなすった」 フレムは、その男のほうを見ると、少し顔をほころばせた。 きっと、昔からの知り...