水玉狂茶会

こんにちは。ベルボーイのメギです。

私は恥ずかしながらたいへんなうっかり者で、毎日何かしらうっかりした失敗をしてしまうのが悩みなのですが、先日はおかげでとても嬉しいことがありました。

無重力室に長期滞在中の、猫丸様のお茶会にお招きいただいたのです！

水玉狂茶会illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

みんなに羨まれましたし、自分でも「なぜ私が？」と不思議だったのですが、理由はお聞きするとすぐにわかりました。

以前、猫丸様のお部屋へお茶をお持ちする際、客室係もティーラウンジンスタッフも多忙だったため、私が伺ったことがありました。無重力下でお茶を入れるために客室係の作った専用の道具があるのですが、私はうっかりそれを忘れて、ふつうにお茶を注いでしまったため、お茶が水玉状に飛び散ってしまったのです。

ですが、猫丸様はそれがかえって面白くてお気に召したご様子で、またあのようにお茶を飲むお茶会をされたいのだとか。しかも、「不思議の国のアリス」をお読みになって触発されたとのこと、「ああいう地球風のお茶会をするのでぜひとも来てください」とおっしゃるのです。

地球風……猫丸様のことですので、どのへんを指してそう思われたのだか全然わかりません。チェシャ猫のように猫丸様が途中で消えてしまったり、おかしな帽子屋さんが出てきたり、怖い女王様に首を切られたりしたら、どうしたらいいのでしょう。誰に相談しても、「うーん、わからないねえ。でも、楽しんでくればいいじゃない」とまるで他人事、それどころか妙に楽しそうです。いったい何がどうなるのやら、しかもチヨさんも出席と聞いたもので、お二人でどんな難しいお話をされるものかと、大変緊張して伺いました。

ですが出席してみますと、水玉状になったお茶を追いかけてカップですくって飲むという運動会のようなお茶会で、日頃の運動不足もすっかり解消されて楽しいひとときでした。それにしても、ウサギの耳やら水玉の帽子やら、いったいどこでお求めになったのでしょうか。それともご自分でお作りになったのか、気になって仕方がないので今度お聞きしてみます。

ともあれ、うっかりも悪くないと思った出来事でした。でもあまりうっかりしないよう、気をつけたいと思います。

メギでした。

猫丸さん＆メギくん初登場の回はこちらをご覧ください