みなさま、こんにちは。ホテル暴風雨、客室係のハナです。
つい先日、当ホテルの無重力室に長期ご滞在中の猫丸様が、「ちょっと出かけてきます」とおっしゃって外出されたんですが、私、気づいてしまったんです……
バベル:おやおやハナさん、こんなところで何をしているんですか、双眼鏡なんて持って。
ハナ:バベルさん!これはええと、ボッフィーがいないかなあと思って海を見てたんです。
バベル:ハナさんは本当にボッフィーが好きなんですねえ。夜中にシェフ・シムシムと踊り狂って騒ぎになったりしてましたよね。
ハナ:って、バベルさんこそ何してるんですかここで!?
バベル:何をおっしゃるやら、ここは図書室ですよ。司書の私の仕事場じゃないですか。
ハナ:そうじゃなくて、どうして双眼鏡を?
バベル:それは、観察が私の趣味の一つですので。
ハナ:うーん。あ、それより、だったら見ましたか?ホテルに係留されていた猫丸様のUFOがないんです。
バベル:ハナさん、UFOとは未確認飛行物体のことですよ。猫丸様のは確認済の宇宙船ですから。
ハナ:猫丸様は地球人類の宇宙人イメージに合わせて宇宙船をあんな形にしたり、耳にアンテナをつけたりされてる方なんですから、いいんですよUFOで!!それに、その方がなんかかっこいいじゃないですか。それより、猫丸様はしばらく地球にご滞在のはずなのにどうしてUFOが。
バベル:それならば心当たりがあります。きっと姫路にいらっしゃったのだと思います。
ハナ:姫路っていうのは、ニッポンの、白くて綺麗なお城があるので有名な街ですか。どうしてそこへ?
バベル:ズバリ、これです。
ハナ:日本天文学会公開講演会?まじめな講演会ですね。これを聴きにいらっしゃったんですか。
バベル:おそらくそうですね。これは日本天文学会主催の、誰でも参加できる講演会で、専門家の、しかも一般向けのわかりやすいお話を聞ける貴重なチャンスですからね。2018年9月22日1時半から。姫路や近辺にお住いの方やちょうどお出かけになる方にはおすすめです。詳しくはこちらを。
ハナ:「講演1」の「SPring-8」って何ですか?
バベル:大型放射光施設の名前です。
ハナ:放射光?
バベル:直進する電子が方向を変える時に出されるのが「放射光」です。その中でも、主にX線を使って色々なものを解析・分析することができるんです。
ハナ:X線って、レントゲン写真を撮るあれですよね。どうしてそんなに大型な施設がいるんですか?
バベル:明るい放射光を出すためには電子を高速に加速する必要があります。また、発生させた電子ビームを円形軌道に貯めておく設備も要ります。どちらもとても大型の加速器になるのです。
ハナ:ふーん、そうなんですか。明るい放射光を使うと、骨のレントゲン写真を撮るより、やっぱりすごいことができるんですか?
バベル:物の構造が原子レベルまで調べられるそうですよ。
ハナ:それはすごいですね!SPring-8を使った研究のお話なのかあ、面白そうだなあ。あれ、こっちの「講演2」は、「地球外生命との”コンタクト”」って書いてありますよ。人間はまだ、猫丸様のような宇宙生命とコンタクトしていないと聞いていますけれど。
バベル:確かに地球外生命なんてファンタジーだ、と考えられた時代もありました。でも今は、多くの恒星が地球のような惑星を持っていることがわかっていますし、遠すぎて見えなかったところも、最新の望遠鏡では見えるようになりました。時代は変わっている、とまさにそんなお話が聴けるのだと思いますよ。そんなお話を聞いた夜には、空を見上げたり、望遠鏡を覗いたり、したくなりそうですね。
ハナ:それも面白そう〜。ところで、このポスターのモデルって、猫丸様じゃないでしょうか。
バベル:似てますね。どういうことやら、まったくわかりませんが。
ハナ:思ったんですけれど、姫路に行くなら、何もUFOで行くことはないじゃないですか。猫丸様の目的は、講演会を聴くだけではないのではないでしょうか。
バベル:と言うと?
ハナ:講演を聴いた日、姫路の皆さんが夜空を見上げた時に見えるように、上空をUFOで飛ぼうとしているのでは!?
バベル:うーむ、ありえなくはないですね、猫丸様なら。
ハナ:ですよね。
というわけで、9月22日、姫路にての講演会、とても面白そうです。(夜は上空にこんなUFOが出るかも!?)また、公開講演会を企画した西はりま天文台は、誰でも見学できて、観望会も行われているところです。星や宇宙にご興味のある方はぜひ。ハナでした。
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