・・大人
しばしば思った
なんで僕は足が遅いんだろう
みんなの歌声にどうして合わせられないんだろう
受け答えが上手な人は羨ましいな
顔が醜いのはつらいな
足りないものが色々あって
それで実際損もしたのだ
大人になった今
デスクチェアから立ち上がってもう一度やってみようか
悲しげに宙を見つめて 間を取って
200本安打を打つ才能が
どうして僕にはないんだろうか?
うん 悪くない
おどおどせずに堂々と言い放つことだ
同僚たちの歓声と罵声が明るくこだまするだろう
笑いたきゃ笑えよ
いまごろ冗談になったって
僕の子供時代はもう帰ってこないんだ