願い

・・願い

あるロックシンガーの言葉をまねて
誰にでも書ける詩が書きたいと言ったら
ああまさにそうだ誰でも作れる詩の一歩先
一歩だけ先を行くのがいちばん難しいと君は答えた

そのまま話は続いたけれど
僕の頭にあったのは一歩先なんて立派なものではなく
本当に誰にでも書ける詩のことだったのだ
他人にできることをやっていては芸術家になれないけれど
大事なのは詩人じゃなくて詩だろ?

結局センスとは色違いのことだ
新しい才能が世界にまたひとつ彩りを添える
そして退屈は癒えない

降ってくる夢 湧き出す地獄
詩想は天地に華やいでいるが
人生のおおかたは床の上に過ぎる
なにも隠されてはいない
すでに見えていたものをまるごと差し出すだけだ
真剣に生きたいという願いから人はついに逃れられない
僕の言葉が芸を忘れたただの真実であるかぎり
君の目はそこに詩を書き記すだろう


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