かえっておいでよ

・・かえっておいでよ

たよりになる参謀と仲間をおいて
君は去っていってしまった

笑みが細いが年上の歌人に
あいさつをしておく機会も投げて
君はあまりにも素早く立ち去った

美しい猿顔の歌手よ
フロントマンよ
僕らはあとからさがしまわるしかなかった
君がかかえていた孤独の
帽子の影を

(新しい曲をわかってやれなかったせいなのか)
(彼だけ違う環境なのをおもんぱかれなかったためなのか)
(ファッションに口出しをしたせいなのか)
(育児のブログになにか言えればよかったのか)

僕が自分のことでずいぶんと落ち込んでいたとき君は
連絡先を教えてくれと
無理やりと言っていいほどに
頼み込んでくれたよね

かえっておいでよ
ずうずうしくも
もう一度喧嘩しにかえっておいでよ
みんなとはいわないが
僕は知っている
少なくともふたりとひとりとこの僕は
(そしてそれだけじゃないだろう)
待っていると

この詩は空に歌いあげるための詩じゃないよ
君に向けて書いている
すぐにじゃなくていい
だけどあんまり遅くならないうちに

かえっておいで


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