・・天板
死は怖くない
死さえも怖くないということが
おそろしいんだ!
そう叫んだ
幾億の中の
たった一人の
君よ
死んじまったはるかに先の
ある一日の夕日も
暖かく鳴り響けと
祈ることができるくせにね
できるけど
生きられない?
じゃあ今日の話でもしようか
掃除をしていてさ
コタツの天板をひっくり返してみたら
忘れていたんだけど
そっちが表でも使えるんだ
こういうのもリバーシブルっていうのかね
でも、灰色に虹が浮きそうな
歪んだ色合いなもんだから
感嘆のあまり叫んじゃった
「悪い夢でも見そうだぜ」
ってね
もちろん
使っているうちに
物が置かれて
模様は
見えなくなっていくんだけど
あのさ
君
暇なんだろ
掃除手伝いに来てくれないか
嫌ならそっちで
うまく片づきますようにって
念じてくれるだけでもいいよ