・・きくらげ
きくらげはゆっくりてあしをのばした
いいゆだあ
からだじゅうですいこんだ
すこしずつみちてくるむかしのちからおもいだすかこ
この、かんぶつめ
そのことばとともにきりきざまれて
すらいすきくらげ
まだあのときはかんぶつじゃなかったんだけどなあ と
さびしくほほえんで
それからあなたのひょうじょうをどうごかいしたのか
いそいでいった
たべていいんだよ、ぼくはきくらげなんだから
じゅうごふんがたった
すっかりもどったきくらげを
おいしくたべたあなた
このよならざるものがとがめるとしても
きくらげはすでにゆるした