さて、私のピアノ漫画家としての夢はどんなものかというと……
これからも、アックスに載せてもらえるような漫画を描き続けると、60才までに30~40本くらい作品ができます。
アックス編集部に……
……とお願いします。
大量のピアノ漫画本と共に、行商の旅に出ます。
全国のストリートピアノを転々として、演奏中に集まった人たちに本を売りつけます。
……と、このような夢です。
1回目の授業では時間がなくて全く話せませんでしたが、2回目と3回目の授業では、大まかに話すことができました。
3回目の授業が終わり、荷物をまとめていると、女の子が三人寄ってきて漫画の原稿を見ながら、「このざらざらした感じがあったかくて優しい感じがする」「黒一色なのに、いろんな色を感じる」など、一生覚えていたい、私にとって何よりの宝物のような言葉を聞かせてくれました。
改めて考えてみると私は、過去の自分に教えたいことを授業にしたのだなぁと思います。それは、自分は何がしたいのか分からない時期があったり、好きな仕事で稼げなかったり、横道にそれたりしても、五十歳を過ぎてもまだ夢を追いながら楽しく暮らしている人もいる、ということでした。
国内のみならず、さらに海外へも行商の旅に出たりして……
…なんて、私の授業を受けてくれた生徒と再会できたら良いなぁー
(津川聡子 作)
*編集後記* by ホテル暴風雨オーナー雨こと 斎藤雨梟
津川聡子作「やっとこ!サトコ なう」「第169話 ゲストティーチャー☆漫画家 後篇」いかがでしたでしょうか。
いいなあ、行商の旅。こっそりついて行って、電柱の影とかから覗きたいです。時代は共同溝、電柱は滅びゆくものかもしれませんが、「行商」同様、完全になくなるまでにはまだ時間があるでしょうし、行商は良い点が見直されてまた流行する可能性があり、ということは電柱も……
いや、どうして電柱の話してるんだ。漫画に感動してテンションおかしくなってきました。同じようにサトコさんのこの素敵な夢に何かを感じたみなさま、これからも息長く応援よろしくお願いします!
「やっとこ! サトコ なう」へのご感想・作者へのメッセージは、こちらからどしどしお待ちしております。次回もどうぞお楽しみに♪