今回は重慶出身、成都育ちの中国人、キランズさんです。彼は、ポーツマス大学の大学院でアートを学んでいます。以前ご紹介したボウさんの友人でもあります。
中国でアーティストを取り巻く環境は決してやさしいものではありません。しかし、その環境に文句を言っていても始まらないので、適応して生きていくことが必要です。
この適応力こそ、キランズさんに限らず、多くの中国人から感じる強さの理由の一つのように思います。
ご一読頂ければ幸いです。
Q,最初に、これまでの経歴を教えて下さい。
中国の大学を卒業し、そのままマスターで勉強していましたが、ポーツマス大学の大学院に進路変更しました。中国ではエンジニアリングを学んでいました。
Q,なぜ、エンジニアリングからアートに転向したのですか?
実はエンジニアリングに進んだ強い動機がなかったんです。大学の進路を迷っている時、親や親族がエンジニアリングを学んでいたので、なんとなくエンジニアリングにしました。
しかし、面白くなかったんですよね…。悪夢のようでした(苦笑)一年で必要な科目を全て落としてしまったこともありました。中国の大学は入るのは大変難しいのですが、卒業するのは簡単なのが一般的です。それでもそんなありさまでした(苦笑)。
アートについては昔からイラストを描くのが好きで、個人的にはずっと学んでいたんですね。で、思い切って大学院を中退して、こちらに進学しました。
Q,なぜイギリスだったのですか?
まず、イギリスの大学院は一年で終わるのが大きかったです。
そして、ヨーロッパ、イギリスの文化に触れたかったからです。例えばロンドンに行くと、数多くの歴史ある建造物があり、文化も伝統あるものを引き継いでいます。その歴史に触れながら勉強したいと思いました。
また、イギリスで学んだことがある友人がいたのも大きかったです。
Q,なぜポーツマス大学だったのですか?
いくつかの大学からオファーをもらいましたが、ポーツマスが海沿いの町で綺麗なイメージがあったからです。私はどちらかというと都市部よりは郊外が好きだというのもあると思います。
Q,卒業後はどうする予定ですか。
可能な限りこちらに滞在して、仕事をしていきたいと思います。
可能であればプロのイラストレーターになりたいとは思いますが、難しければ職種は問わないつもりです。
たとえば、こちらには中国人の留学生も多いので、彼らを支えつつ、こちらの大学と中国の大学の橋渡しなどもできると思います。
Q,自国が恋しくなったりはしますか?
全くないですねー。親とは月に数度連絡を取っていますし。こちらでの生活を楽しんでいます。強いて言えば食事が恋しいくらいですかね。
キランズさんインタビュー、来週23日(日)更新の後編へと続きます。