香港出身、ポーツマス大学芸術学部に留学中のイラストレーター、ボウさんのインタビュー、後編です。前編はこちらへどうぞ。
Q,イギリスと香港の違いで一番驚いたことはなんですか?
こちらの人は皆親切で優しいですね。勿論、表面的なところもあるんでしょうが、そこに一番驚きました。
香港は忙しくてごみごみしています。皆あまり余裕がない感じです。生活する上での雰囲気はイギリスの方がいいと思います。
Q,逆に香港に比べて、イギリスの良くないなぁと思うところはありますか?
お店が閉まるのが早いですね。買い物に困るときがあります。
ちなみに、皆イギリスの食べ物が美味しくないという話をしますが、私はもともとファストフードが好きだったので、イギリスの食生活は天国のようですね(苦笑)。
多分他の香港の人からすると、自分はユニークなんだと思います。そういえば、香港のほとんどの人は香港に対する思いが非常に強いですが、自分はそんなことはありませんしね。いわゆる「ホンコンガー」とは大きく違うキャラクターだと思います。
Q,香港、あるいは世界で生き残っていくために必要なスキルはなんだと思いますか?
当たり前ですが、イラストレーターとしてのスキルです。
その次に、教える能力も必要になります。
私は香港やイギリスで学生向けに絵画を教えていますが、人に教えるスキルがあれば香港では食べるのには困りません。非常勤講師になったり、家庭教師になったりすることができます。
香港では教育熱がすごくて、親は、いわゆる勉強だけでなく、音楽やスポーツなども子供に学習させます。その結果、子供向けの教育のマーケットは非常に大きいですね。
ちなみに、いわゆる時間当たりの手当てはイギリスの方が香港より高い額になります。ただ、イギリスでは働ける時間が短くなるので、結果として香港での方が収入は大きくなりますね。
Q,ご自身の作品を少し紹介してもらってもいいですか?
たとえばこれは最近の私の絵本用のキャラクターです。
彼は恐竜なんですが、他の恐竜と少し違うんですね。見た目が違うのは勿論、自分の感情に合わせて色が変わるんです。例えば悲しければ青色、うれしければ緑色といったようにです。
彼は他の恐竜と自分が少し違うことに悩んでいたんですが、最終的に違いは個性なんだと思い受け入れる、そういったお話です。近々正式に出版される予定です。
Q,日本についてはどんなイメージがありますか?
いいイメージですよ。寿司やてんぷらやさしみは好きですね。あと、「かわいい」ということばは香港でも通じます。
ファッションや音楽も日本のものが流行っていましたが、最近は韓国のものばかりになっていますね。
香港人は皆、日本が好きですよ。多くの人が日本に旅行に行きます。私自身も7回ほど行きましたね。東京に京都に北海道に…。どこもきれいで人は親切です。食べ物もおいしいですね。
Q,最後に香港のPRを日本の方向けに…
いや、特にないですよ(苦笑)。ごみごみしてるし、大気汚染もひどいですし。日本人が香港に来るのではなく、我々が日本にいきます(苦笑)。
ボウさん、お話ありがとうございました!